2003 Fiscal Year Annual Research Report
TRIPS協定を巡る最近の動向と知的財産法制に関する研究
Project/Area Number |
15530076
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
鈴木 將文 名古屋大学, 大学院・法学研究科, 教授 (90345835)
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Keywords | 知的財産法 / 国際経済法 / WTO / TRIPS |
Research Abstract |
1 同協定を含むWTO協定に係る紛争事例(パネル報告書・上級委員会報告書)の分析を行うとともに、新ラウンド交渉及びTRIPS理事会における議論等をフォローし、WTO・TRIPSに関する国際的な動向を把握した。また、WTO及びTRIPSに関する学術的な文献(主に欧米のもの)を調査した。 その結果、TRIPSについては、そもそもWTO全体の中における決的位置づけについても諸説あり、このような基本的論点が明確でないまま、途上国の知的財産法制整備・執行強化や保護領域拡大等の個別具体的なテーマに関する議論が行われていることが理解された。16年度においては、上記の基本論を詰めた上で、いくつかの個別論点について検討を加えたい(論点の具体例としては、並行輸入とWTO・TRIPS、経済統合における知的財産法制のあり方とWTO・TRIPS等を考えている。)。 2 我が国の知的財産法制(特に特許法と商標法)に関し、WTO・TRIPSと関係する論点についての判例、研究文献を調査分析した。具体的には、特に知的財産権と並行輸入の問題について調査分析した(成果として、後掲の判例批評を行い、また商標権と並行輸入に関する判例批評も発表予定である。)。16年度はこのテーマについての研究を続けるとともに、近年の我が国にとっての大きな課題であるFTA(自由貿易協定)と知的財産法制の関係について、WTO・TRIPS及び我が国知的財産法の観点から検討したいと考えている。
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Research Products
(1 results)