国際社会において戦略的行動を抑止する社会的意志決定手続き

2003 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 15530114
• Research Institution: Tohoku University
• Principal Investigator: 芹澤 成弘 東北大学, 大学院・経済学研究科, 助教授 (90252717)
• Keywords: インセンティブ / メカニズム・デザイン / 戦略的虚偽表明の防止 / Strategy-Proofness / Uniform Rule

Research Abstract

社会の意志決定手続きは、実現可能な選択肢に関する社会構成員の選好や態度を表明させ、それらを集約するもの、と一般的には捉えることができます。国際杜会における決定手続きも同様です。社会選択論では、社会の決定手続きを、社会の構成員の選好プロファイルの集合から選択肢の集合への関数として、数学的に定式化し、Social Choice Function(社会的選択関数)と呼びます。本研究では、国際社会に一定量の資源(私的財)が存在するとき、それらを各国にいか分配するかという問題において、Strategy-Proofness(戦略的選好表明を抑止する社会的選択関数の性質)、Pareto-EfficiencyおよびSymmetry(同じ選好を持っている消費者に同量の資源を配分するという社会的選択関数の性質)を同時に満たす社会的選択関数ついて研究しました。その結果として、以下のことを証明しました。
1)The uniform rule (Bennasy,1982) is the unique social choice function that satisfies strategy-proofness, symmetry, and Pareto-efficiency on a minimally rich domain with the amount of the good being fixed.
2)There is a unique maximal domain that includes a minimally rich domain and allows for the existence of strategy-proof, symmetric, and efficient social choice functions when the amount of good is a variable. It is the single-plateaued domain.