2004 Fiscal Year Annual Research Report
国際社会において戦略的行動を抑止する社会的意志決定手続き
Project/Area Number |
15530114
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
芹澤 成弘 大阪大学, 社会経済研究所, 教授 (90252717)
|
Keywords | Strategy-Proofness / Social Choice Function / Pareto-Efficiency / Symmetry / Uniform Rule / Allotoment Economy |
Research Abstract |
「分配経済(Allotment Economy)」モデルでは、分割可能な私的財が一つのみ存在し、人々がその財について非単調な選好を持っています。昨年度より、分配経済モデルにおいて、Strategy-Proofness(戦略的選好表明を抑止する社会的選択関数の性質)、Pareto-efficiency、Respect for Unanimity(全ての人に最も望ましい量を分配することが可能な場合には、実際にそのような分配を行うという社会選択関数の性質)やSymmetry(二人の消費者が同一の選好を持てば、その二人は無差別な量を配分されるという社会的選択関数の性質)を満たす社会的選択関数が存在し得る定義域について研究しています。今年度の主な研究結果は次の命題の証明です。 i)Strategy-Proofness、Respect for UnnanimityおよびSymmetryの条件を満たす社会選択関数が存在し得る定義域はすべて、「Convex Preference」と呼ばれる選好のクラスの部分集合になっている。 ii)「Weakly Single-Peaked Preference」と呼ばれる選好の集合は、Strategy-Proofness、Respect for UnnanimityおよびSymmetryの条件を満たす社会選択関数が存在し得る最大定義域の一つになっている。 また今年度は、昨年度の研究結果に対して多くの研究者からコメントをもらい、それらを生かして研究成果の改定を行い、大阪大学社会経済研究所のDiscussion Paperとして、発表しました。
|
Research Products
(1 results)