2005 Fiscal Year Annual Research Report
グローバリゼーション下の国際通貨・金融システムの変容についての研究
Project/Area Number |
15530124
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Research Institution | WAKAYAMA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
石橋 貞男 和歌山大学, 経済学部, 教授 (50133921)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高嶋 雅明 和歌山大学, 経済学部, 教授 (90031848)
加藤 國彦 和歌山大学, 経済学部, 教授 (00233784)
今田 秀作 和歌山大学, 経済学部, 教授 (60201943)
片桐 謙 和歌山大学, 経済学部, 教授 (90233741)
金澤 孝彰 和歌山大学, 経済学部, 助教授 (50252838)
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Keywords | 金本位制 / 管理通貨制 / 国際通貨制度の変遷 / 戦間期上海金融市場 / 中国金融政策 / 戦間期ドイツ金融政策 / イギリスの対インド貨幣政策 / 人民元改革 |
Research Abstract |
平成17年度第1回研究会は,平成17年9月26日に開催した。報告者ならびに論題は,片桐謙「金井雄一氏の「金本位制論」について」であった。内容は,金井氏の2つの主著『イングランド銀行金融政策の形成』(名古屋大学出版会,1889年)と『ポンドの苦闘:金本位制とは何だったのか』(名古屋大学出版会,2004年)の丁寧なテキストクリティークを中心として,金本位制と管理通貨制との単純な切断や金本位制の神話についての論点を摘出するものであった。研究会では,それらの論点を中心にして金本位制の本質をめぐって議論がなされた。 第2回研究会は,平成18年12月22日に開催した。報告者ならびに論題と概要は,次のとおりであった。石橋貞男「現代にとって貨幣とは何か:国際通貨の行方」では,ユーロ成立の意義を世界共通通貨の可能性を示した点に見いだしていた。今田秀作「両大戦間期イギリスの対インド貨幣政策」では,戦間期ポンド体制の変質を対インド貨幣政策との関連のなかでみていた。加藤國彦「戦間期のドイツの金融政策」では,戦間期にドイツ金融政策が金融規制から金融統制へと移行していく過程を歴史的に明らかにしていた。金澤孝彰「人民元改革と中国金融政策の方向性」では,人民元切り上げと外貨準備の肥大化がもたらした中国金融経済の構造的摩擦を論じていた。高嶋雅明「財閥銀行の海外展開と上海金融市場-1913〜1925年-」では,財閥銀行の外国為替金融と日系企業への融資活動とを分析し,その金融活動を内外の金融関係の展開の中に位置づけようとしていた。全体的には,「研究成果報告書」にまとめ上げる最終報告が主たる内容となっていた。 出張としては,高嶋雅明が外務省外交史資料館・国立国会図書館において,両大戦戦間期上海金融市場における財閥系銀行の経営分析のための資料収集の補充と論文作成のための資料群の点検などを行い,新たな資料の収集をも実施した。
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Research Products
(5 results)