2005 Fiscal Year Annual Research Report
スイスの視点から見た西欧経済学の展開についての経済思想史的研究
Project/Area Number |
15530133
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Research Institution | Osaka Sangyo University |
Principal Investigator |
喜多見 洋 大阪産業大学, 経済学部, 教授 (30211197)
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Keywords | スイス / ジュネーヴ / ジャン=バティスト・セー / エティエンヌ・デュモン / ピエール・プレヴォ / シスモンディ / マーセット |
Research Abstract |
本研究の3年目にあたる平成17年度は、まず前年度末に引き続き、昨年2月に一橋大学社会科学古典試料センターで入手した19世紀前半の英語およびフランス語文献と、従来から収集していた文献、資料あわせて、フランス革命後のスイス・ロマンドの経済思想を中心に分析を進めた。特に「経済思想と交流と展開」という視点から分析を加え、これをつうじて同時代のイギリスの知識人たちと深い人的つながりを持っていたジュネーヴの知識人、とりわけシスモンディ、ピエール・プレヴォ、エティエンヌ・デュモンという三人の存在の重要性が浮き彫りになった。こうした研究の主要な成果は、「転換期ジュネーヴの知識人たち-スイスの視点から見た西欧社会経済思想史の一齣-」(『大阪産業大学経済論集』第6巻第3号)として発表された。そこでは、ジュネーヴというスイスの一都市の視点から西欧社会経済思想が検討され、国際都市ジュネーヴを拠点としたヨーロッパ規模での社会経済思想の交流、融合、発信の詳しい様子が明らかになった。また昨年11月に岡山大学で開催された社会思想史学会の第30回大会におけるセッション「啓蒙と公共圏」でも、上の研究成果の一部を「公共性」の観点から発表した。 そして12月には、一橋大学社会科学古典資料センターおよび早稲田大学中央図書館において文献調査ならびに資料収集を行い、19世紀初めのフランス、及びスイス・ロマンドの経済思想史、社会思想史に関連した重要な文献、資料を入手できた。さらに本年2月から3月にかけてはスイスのジュネーヴ大学公共図書館を訪れ、経済学史上貴重なJ.-B.セー関係の文献資料を収集できた。帰国後は、現在までこれら文献資料の調査、分析を続けている。
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Research Products
(2 results)