2006 Fiscal Year Annual Research Report
スイスの視点から見た西欧経済学の展開についての経済思想史的研究
Project/Area Number |
15530133
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Research Institution | Osaka Sangyo University |
Principal Investigator |
喜多見 洋 大阪産業大学, 経済学部, 教授 (30211197)
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Keywords | スイス / ジュネーヴ / ジャン=バティスト・セー / エティエンヌ・デュモン / ピエール・プレヴォ / シスモンディ / マーセット |
Research Abstract |
最終年度にあたる平成18年度は、はじめに平成17年度末にスイスおよびフランスで収集した18世紀後半から19世紀前半にかけての時期の経済思想史および社会思想史関係の資料の分析、検討を継続して行なった。そして10月、11月、12月には、一橋大学社会科学古典資料センター、経済研究所および早稲田大学図書館で資料収集を実施して、18世紀後半から19世紀前半にかけてのフランスおよびスイスの経済思想史に関連した文献を調査、収集した。 経済学史、社会思想史関連の文献、資料についてのこれらの調査、収集、分析から明らかになったのは、ジュネーヴを中心としたフランス語圏スイスの知識人達が18世紀末から19世紀前半にかけて西欧の社会経済思想が交流、展開する過程において重要な役割を果たしていたという具体的事実である。そして、この時期、ジュネーヴで出版されていたBibliotheque britaniqueであるとか、あるいは、Bibliotheque universelleといった雑誌が、最新の科学知識や思想をフランスおよびヨーロッパ大陸へ普及させる際に、貢献していたということである。これらの研究成果の一部は、「アジアの多文化社会とグローバリゼーション-参考事例としてのスイス-」として斎藤日出治編『グローバル化するアジア』に収録され、本年、晃洋書房から出版された。さらに、研究の主要な成果は、「ジュネーヴの公共圏と知識人たち」として安藤隆穂・岡本明編『ナポレオン帝国と公共圏』に収録され、ミネルヴァ書房から本年秋に出版されることが決定している。
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Research Products
(1 results)