2003 Fiscal Year Annual Research Report
多変量ガウス性・線形性検定にもとづく経済時系列の統計的モデリングとその応用
Project/Area Number |
15530137
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
照井 伸彦 東北大学, 大学院・経済学研究科, 教授 (50207495)
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Keywords | 多変量ガウス性検定 / 多変量時系列 / 非線形性検定 / ブートストラップ / サロゲートデータ / 有限標本特性 |
Research Abstract |
本研究では、経済時系列分析において様々なモデル分析の基礎となるガウス性ならびに線形性の統計的検定法を多変量時系列の枠組みへ拡張した結果に基づいて,多変量時系列の統計的モデリングについて研究し,多変量経済時系列に対する統計モデルの体系的構築を目指す.またその応用として,マクロ計量経済モデルや景気循環モデルを始めとして,その他ファイナンスやマーケティングなどの領域で展開される様々な経済・経営動学分析へ応用することも目的とする. 多変量時系列を扱う本質は変数間の相互関係であり,周辺時系列だけをみてモデル化を考えるアプローチは,基本的に相互関係で決定される経済・経営時系列については適切ではない.平成15年度は,周辺時系列(自己相関構造)と相互関係(交差自己相関構造)のガウス性検定のための検定統計量に関し,その有限標本特性の改良を中心に研究を行った.具体的研究事項と実績は下記のとおり 「検定統計量の周辺時系列および相互関係のガウス性・線形性検定への分割に伴う検定統計量の有限標本特性の改良」 周辺時系列(自己相関構造)と相互関係(交差自己相関構造)のガウス性検定に共通する特性である検定統計量の漸近分布への収束スピードの緩慢さに関し,これを改善する研究を実施した.まずリサンプリング法を用いた有限標本特性の改良を目指し,ブートストラップ法による有限標本特性の改良を図る研究を実施した.具体的には,時系列データの時間領域でのリサンプリング法としてブロックサンプリング・ブートストラップ法を応用し,多変量ガウス性検定の検定統計量に有限標本バイアスの除去を試み,その有効性が限定的であることを確認し,さらに周波数領域での新しいリサンプリング法であるサロゲートデータについてもその適用可能性に関する研究を実施した.
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Nobuhiko Terui, Wirawan Dony Dahnana: "A Threshold Choice Model for Asymmetric Market Response and Segmentation"Discussion paper TM&ARG, Graduate School of Economics and Management. Tohoku University. No.67. 1-36 (2003)
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[Publications] Nobuhiko Terui, Wirawan Dony Dahnana: "Estimating Heterogeneous Price Thresholds ; An Application to Customization for Strategy"Discussion paper TM&ARG, Graduate School of Economics and Management. Tohoku University. No.69. 1-39 (2004)