2004 Fiscal Year Annual Research Report
景気変動の把握および予測における確率的方法の応用に関する研究
Project/Area Number |
15530146
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Research Institution | Meijo University |
Principal Investigator |
勝浦 正樹 名城大学, 経済学部, 教授 (70224467)
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Keywords | 景気変動 / 局面推移モデル / Stock-Watsonモデル |
Research Abstract |
昨年度までに景気変動に関する確率的方法、特にRegime Switching Model (RSM;局面推移モデル)について文献のサーベイやデータ収集をある程度行ってきたが、本年度は以下のような研究を行った。 1.RSMで用いられる景気指標の分布として、正規分布だけではなく、より頑健な分布としてt分布を用いることについてより詳細に考察した。そして、日本のデータだけでなく、アメリカのデータについても、正規分布を用いる場合より、t分布を用いた方が、得られた景気後退確率がよりよいパフォーマンスを示す場合が多いことがわかった。ただし、常にそのようなことがいえるわけではなく、用いるデータや期間によって、事前のデータ分析などにより検討した上で、正規分布以外の分布を用いるかどうかをみる必要がある。 2.RSMの時変的な推移確率のモデルに関しては、用いる説明変数を一時点でなく、何期かのラグをつけたモデルを考察した。ただし、ラグをつけてそのまま推定を行うと推定の精度が悪くなるので、回帰分析における分布ラグのようにそれらラグつき説明変数の係数に一定の仮定をおく方法がよいのではないかと考えた。ただし、いかに推定するかという問題が残り、推定方法の確立と実際のデータを用いての実証分析が次年度の課題である。 3.2で説明変数として用いる指標をして景気の先行指標が考えられるが、その作成方法や諸外国で用いられているものについての考察を行った。特に、2004年7月に行われた24th International Symposium on Forecastingに参加することによって、多くの情報を得ることができた。
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Research Products
(2 results)