2003 Fiscal Year Annual Research Report
95改定ESA産業連関表によるEU国際産業連関表の作成とEU統合分析
Project/Area Number |
15530147
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Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
良永 康平 関西大学, 経済学部, 教授 (90191626)
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Keywords | 国民経済計算 / 産業連関表 / EU統計局 / ヨーロッパ国民経済計算 / 生産者価格 / 基本価格 / ヨーロッパ連合(EU) / 国際産業連関表 |
Research Abstract |
本研究の目的は、ヨーロッパ国民経済計算体系の改訂(95ESA)に基づく新しいEUの産業連関表を解明するとともに、それに基づいて21世紀を展望する新たなEU国際産業連関表を作成し、また80年代半ばから活発化してきたEU統合の過程を検討し総括することである。このために、研究初年度に当たる平成15年度は、新しい95ESAに基づく産業連関表、国民経済計算、貿易統計等のデータを入手し、コンピュータで整理・データベース化を行った。特に産業連関表については、新しく採用された基本価格ベースのデータの特徴、従来の生産者価格ベースのデータとの相違、さらに生産者価格ベースの日本の産業連関表との比較可能性等を検討し、環太平洋産業連関分析学会の2003年度全国総会で報告した。今回のESA改訂の意義は、各国がまちまちの特性を持った産業連関表を作成し、それをEU統計局が比較可能となるように組み替えを行っていた従来の方式に替わって、各国に同じ産業部門分類、同じ基本価格評価、同じ新SNA方式による作成を義務付けている点で比較可能性が高まるとともに、作成・公表も早まることが予想される。また各国で異なる間接税体系に影響されないEU連合の産業連関システムを構築する上で、基本価格は望ましいと言えるだろう。しかし、基本価格が導入された場合、従来の生産者価格評価の産業連関表との接続性、比較可能性はどうか、この点をまず検討せざるを得なかった。ドイツやアイルランドのデータをもとに検討の結果、特に補助金割合の多い部門などで、基本価格表と生産者価格表との比較可能性は限定的であることが分かった。さらにドイツでは、95ESAに基づく1991〜2000年接続表(基本価格)がいち早く作成・公表されたため、補助研究として、再統合後の90年代ドイツ経済及び環境に関する産業連関分析も行った。これらの研究成果は近く公表の予定である。
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Research Products
(1 results)