2004 Fiscal Year Annual Research Report
地域経済統合の進展と高等教育サービスの国際貿易に関する研究
Project/Area Number |
15530148
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Research Institution | Otaru University of Commerce |
Principal Investigator |
船津 秀樹 小樽商科大学, 商学部, 教授 (60173514)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堀田 泰司 広島大学, 留学生センター, 助教授 (40304456)
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Keywords | 留学生の国際間移動 / アジア太平洋経済協力 / UNESCO / グラビティーモデル / 危険回避度 / 二値的反応モデル |
Research Abstract |
1.UNESCO統計研究所から入手した2000年の高等教育における留学生の国際間移動データを用いて、留学生の国際間移動に関して、計量経済学的な分析を行なった。商品貿易の分析に用いられてきたグラビティーモデルを用いて、二国間の留学生移動数を、受入れ国および派遣国のGDPと二国間の地理的な距離によって説明する回帰分析を行なったところ、統計的に有意な結果が得られた。財貿易と同様に、受入国および派遣国の所得が高いほど、留学生の移動数は大きく、距離的に離れていると、留学生の移動数は少なくなることが確認された。さらに、このモデルを用いて、アジア太平洋経済協力(APEC)に加盟している国の間における留学促進効果を、切片ダミー変数を用いて分析したところ、統計的に有意な正の効果があることを見出した。APEC域内における留学生交流政策は、域内の学生移動を高める効果がないとは言えないことが確認された。1989年のデータとの比較については、サンプルサイズの違いがあり、現時点では、明確な結果が得られていない。今後も、研究を継続していく予定である。 2.平成15年度、小樽商科大学と広島大学において実施した海外留学に関するアンケート調査を、高知大学、横浜国立大学、東京医科歯科大学の協力を得て、大幅にサンプル数を増やして実施した。質問項目に、学年、性別、専攻分野を加えるなどして、説明変数を増やした上で、二値的反応モデルを用いて、分析を行なった。その結果、留学の意思決定に、将来所得の予想は、正の影響を持つこと、危険回避度は、影響を与えないこと、女性であると、留学する確率が高いことなどを見出した。前年度の調査結果は、サンプルサイズに依存していたことがわかった。この結果に基づいて、望ましい国際交流プログラムの構築について、論文を作成し、公表の予定である。
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Research Products
(1 results)