2003 Fiscal Year Annual Research Report
取締役会の構成と日本企業のコーポレート・ガバナンス
Project/Area Number |
15530151
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
三輪 芳朗 東京大学, 大学院・経済学研究科, 教授 (90109158)
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Keywords | Corporate Governance / Outside Director / Conflict of Interest |
Research Abstract |
外部取締役に関するものを中心としたデータを入力し、分析を進めている。 次の2つの論文を作成して学会等で報告し、現在改訂中である。 (1)Miwa and Ramseyer, 'Does Relationship Banking Matter? Japanese Bank-Borrower Ties in Good Times and Bad, 'CIRJE-F-239. (2) Miwa and Ramseyer, 'Conflicts of Interest in Japanese Insolvencies : The Problem of Bank Rescues,'CIRJE-F-240. (1)では、1980年代から90年代前半の時期の非金融部門の東証一部上場企業に焦点を合わせて、日本の大企業の銀行と融資先企業との関係について分析した。外部取締役の役割に関する検討はその一環である。1980年代前半の規制緩和によって銀行・企業間関係が大きく変貌し,それがバブルの発生とその後の長期不況を引き起こしたとする有力な主張を検討の俎上にのせた。主張されている変貌は観察されず、主張は成立しないこと、および、観察事実は、通常の市場の機能の結果として十分に説明できる。 (2)では、銀行・企業間関係の実質的機能を調べるために、想定される機能が実際に発揮される場面に焦点を合わせた。融資先企業が業正規不振となり、利害関係者相互間の利害対立が明確化するケースである。石油ショック彼の不況と第二次石油ショック後の時期に不振となった企業に関してデータを収集し、さらに個別ケースに関する情報を収集して体系的な検討をおこなった。(1)と同じく、「通念」は誤りであり、通常の市場機能の結果として説明できるという結論が得られた。
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