2005 Fiscal Year Annual Research Report
日本の中小企業の研究開発活動における企業組織と競争の効果の実証分析
Project/Area Number |
15530171
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Research Institution | Kwansei Gakuin University |
Principal Investigator |
土井 教之 関西学院大学, 経済学部, 教授 (60098431)
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Keywords | 中小企業 / 進歩的企業 / 研究開発 / イノベーション / 内部環境 / 外部(競争)環境 / 共同開発 / 学習する組織 |
Research Abstract |
(1)わが国と違って、欧米では本研究と関連する研究が精力的に行われており、これまで公表した論文・ディスカッション・ペーパーでは触れていなかったその研究結果を展望し、そして本研究結果をもとに作成した論文等のなかでそれらの研究についての論評を加えている。したがって、わが国を対象とした実証論文であるが、欧米の最近の研究の展望も含んでいる。 (2)昨年度まで試みたアンケート調査による実証分析を補足するために、昨年度末から今年度初めにかけて追加的にアンケート調査を行った。その結果も、論文の中に追加挿入し、そしてまた新たに追加した質問項目については、別の論文を作成する準備をしている。 (3)昨年度作成し、サーキュレートしたディスカッション・ペーパー(「SMEリサーチペーパーNo.2」。「進歩的企業のイノベーション-アンケート調査の集計分析-」)を、研究会でのフィードバック、発表した論文へのコメント、などを考慮して修正し、あらためて研究者、経営者などに配布し、そのフィードバックを探った。このペーパーを基にした論文を、『中小企業総合研究』(中小企業金融公庫総合研究所)第4号(2006年発刊)に掲載することが決定済みである(2005年10月に決定)。なお、このディスカッション・ペーパーは大部であり、その雑誌論文でカバーされない部分は別途公表する予定である。それは、英語論文として外国雑誌に投稿する予 定である。 (4)上記の研究が多数の企業にまたがるクロスセクション型の研究であり、それにはいくつかの限界が存在する。これを補完するために、ある特定企業を取り上げ、詳細にその企業の「イノベーション・システム」を明らかにする必要がある。本年度初めから、ある代表的企業を選択し、社長、社員など関係者とのインタビュー、意見交換などを通して精力的に事例研究を試みた。その成果は、ディスカッション・ペーパー(「SMEリサーチペーパーNo.3」)としてまとめられ、サーキュレートし、コメントを求めた。そのフィードバック、新たな情報などを考慮して、初版(2005年10月作成。「進歩的企業のイノベーション・システム-機械系企業の事例-」)を修正し、その修正版(2006年1月作成)をあらためてサーキュレートしている。この事例研究は、当該企業の承諾のうえで公表されている。なお、このペーパーについては、外部機関(中小企業金融公庫『中小公庫マンスリー』)から掲載の打診を受けているが、この報告書作成段階ではまだ確定していない。
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Research Products
(5 results)