2004 Fiscal Year Annual Research Report
現代日本における非典型労働者の「就労意思決定」の規定要因に関する実証的研究
Project/Area Number |
15530178
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Research Institution | Hitotsubashi University |
Principal Investigator |
倉田 良樹 一橋大学, 大学院・社会学研究科, 教授 (60161741)
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Keywords | 流通業小売店舗労働者 / 非典型雇用 / パート基幹化説への反証 / 正社員と非正社員との利害対立 / 業務請負 |
Research Abstract |
平成15年度に実施した「流通業における雇用の多様化と働く人々の意識に関するアンケート調査」の統計解析を行い、日本の流通業店舗労働者の就労実態、就労意識について多面的な分析を行った。この調査による回答者のうち、本研究の直接的な研究対象である非典型雇用者の数は1937名であった。この調査解析を通じて得られた、非典型雇用者の就労パターンと就労意思決定に関連する主要な事実発見は以下のとおりである。 1 勤務する会社に正社員登用制度が導入されている、と回答した非正社員の比率は17.6%。 2 正社員登用制度が重要であると回答した非正社員の比率は、重要でないと回答した比率を大きく上回っている。 3 勤務する会社にパートタイマー役職制度が導入されている、と回答した非正社員の比率は22.7%。 4 非正社員の平均勤続年数は5.9年(正社員は10.2年)。 5 非正社員の平均月間労働時間は138.4時間(正社員は197.0時間)。 6 店舗内で担当する売り場数は正社員と非正社員で大きな相違がないが、担当する業務の種類を比較すると、判断力や責任を伴う仕事は主として正社員により担われていることがわかる(パート基幹化仮説への反証)。 7 正社員と非正社員との利害対立の要素は大きい。 8 店舗勤務労働者全体に占めるフリーターの比率は12.4%で、正社員に比べてキャリア継続志向が弱い。 9 流通業小売店舗では業務請負形態で働く人はごく少数で例外的な存在である。
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Research Products
(2 results)