2003 Fiscal Year Annual Research Report
リサイクル産業育成の公共政策―中部地域の廃プラスチックリサイクルを題材として
Project/Area Number |
15530196
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Research Institution | Nagoya Gakuin University |
Principal Investigator |
李 秀ちょる 名古屋学院大学, 経済学部, 助教授 (10329683)
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Keywords | リサイクル企業 / 地域密着型産業 / ゼロエミッション / リサイクル市場 / 行財政支援プログラム / 地域経済 / 環境資源節約 |
Research Abstract |
研究助成の初年度にあたる2003年度の前期(4月〜9月)には、リサイクル産業育成の公共性に関する理論研究を深めるとともに、首都圏及び中部圏を中心に関連研究機関及び民間協会(グリーンジャパンセンター、プラスチック処理促進協会など)、政策金融機関(日本政策投資銀行など)、自治体(愛知県庁、瀬戸市役所など)を訪問しリサイクル関連政策や市場の実態と課題に関する最新情報の収集を行った。続いて文献及びヒアリング調査に基づき、リサイクル産業育成が行われる場合、中部地域における資源節約程度、埋立及び焼却処分抑制による環境負荷低減効果などに関するデータを入手した。また、瀬戸市役所の協力を得て、地域におけるリサイクル産業誘致の際、立地供給、租税優遇措置、政策金融など選択可能な行財政支援プログラムを把握した。 2003年度の後期(10月〜3月)には、愛知県所在のリサイクル企業(3社)と沖縄県所在のリサイクル企業(4社)を訪問し、リサイクルコスト負担水準、採算性、再商品の需要見通し、政策金融及び技術開発補助金など政策支援状況に関するヒアリング調査を行なった。特に沖縄県の特殊な経済的・地理的状況を考慮し、廃棄物問題と雇用問題の同時改善が期待できる地域密着型産業としてのリサイクル企業育成の方向性に関する考察を深めた。また、近隣アジア国との比較研究を行うため、韓国を訪問し(3泊4日)、リサイクル関連政策機関(韓国資源再生公社、韓国環境政策評価研究院など)、リサイクル事業者(3杜)に対する日本と類似のヒアリング調査を行なった。以上の研究、調査から得られた知見を生かし、2004年度には地域経済活性化と環境負荷抑制に資するリサイクル企業(愛知県もしくは沖縄県所在)の育成のための具体的な方策に関する論文をまとめる予定である。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 李 秀〓: "韓国の環境補助予算制度-環境予算の使途上の現状と課題-"名古屋学院大学論集(社会科学篇). 40・3. 97-111 (2004)
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[Publications] Lee, Soo Cheol: "Political Economy of Environmental Policy Choice -- Single-Instrument Policy of Taxes or Direct Regulations versus Policy Mix with Subsidies--"Critical Issues in Environmental Taxation II. 2. 1-20 (2004)