2004 Fiscal Year Annual Research Report
グローバリゼーション進行下における地域の競争力と産業政策の関係
Project/Area Number |
15530200
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Research Institution | Hyogo University |
Principal Investigator |
田端 和彦 兵庫大学, 経済情報学部, 助教授 (70260669)
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Keywords | 地域イノベーションシステム / 産業支援機関 / 競争力 / クラスター |
Research Abstract |
(1)地域イノベーションシステム(RIS)の分析のために企業行動の分析 イノベーションシステムと企業行動を分析するために、その行動を支援する支援機関に注目した。背景には2点ある。第1に、支援機関は民間から公設まで多様であり、産業政策にかかるガバナンス(協治)との関係からRISの役割を検討することが可能になる。第2に、企業行動はイノベーション以外の要素との関連も強く、むしろ支援機関を利用する状況から分析を行なう方が容易である。産業支援機関においてイノベーションを支えることを目的とした機関(研究機関、ベンチャーキャピタルなど)を特定することにより分析が容易になる。 日本全国には業界団体を除いておよそ1500以上の産業支援機関があり、平成16年度にこれのデータベースを作成した。またこれらに対しアンケート調査を実施、現在、回収と解析を進めている。 (2)イノベーションシステムの位置づけのための現地調査 日本国内においては、グローバル化で中国などとの競争に置かれた兵庫県下の伝統産業のイノベーションシステムの変化について検討した。結果、企業がクラスターを評価し、草の根型のイノベーションシステムが展開させ、競争力を高めていることなどを明らかにした。 海外においては、ドイツ、フランスの旧来型の産業クラスター(ルール、ザール、ロレーヌ)の調査を実施、政府の主導によるハイテク産業クラスターへの転換とイノベーションシステムの関係について知見を得た。例えば、クラスター、RIS、将来計画を地域の三本柱として、広域的産業政策を実施する(ロレーヌ)など、競争力強化に関する日本の産業政策の展望にも十分なヒントを得た。また、これらクラスターは独仏国境付近にあり、イノベーションシステムの移転が生じるという、田端の仮説の検証にも役立てたい。
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Research Products
(2 results)