Research Abstract |
本研究はA「アジア経済における実質利子率平価の研究」,B「日本の銀行業における群集行動に関する研究」,C「株価・金利・外国為替の条件付相関に関する多変量GARCH分析」,D「日本・韓国株式指数オプション市場における、超短期価格変動に関する研究」の4つのプロジェクトから成り.平成16年度においては、(1)プロジェクトAの完成,(2)プロジェクトBの完成,(3)プロジェクトDの継続,の3点を計画していた.結果的に,本年度は計画通りに計画を進めることができた. (1)に関しては,実質利子率の動きや金利平価の推移に関して非線形が存在するという結果が得られ,その一部についてはHolmes and Maghrebi(2004)として学術雑誌から出版された.また,他の実証結果も含める形で,2つの論文を執筆し,一方はthe 12^<th> Conference on Pacific Basin Finance, Economics, Accounting and Businessにおいて発表され(Maghrebi, Holmes, and Pentecost(2004)),他方はthe 14^<th> NZESG meeting 2005において発表された.これらの論文はレフェリーつき学術雑誌に投稿された. (2)に関しては,日本の銀行業における「群衆行動」の存在,およびその非合理性がバブルの形成の背景となった可能性を示す結果が得られ,Nakagawa and Uchida(2005)として論文にまとめられ,査読つき学術雑誌に投稿された. (3)に関しては,(3)と極めて関係の深い研究において,日経225オプションの日次データのimplied volatility指標を作成しその動きを調べた.この論文は,2005年アジアファイナンス学会報告論文に採用されているが,本研究に置いては,同じ分析手法を高頻度データ(分次データ)に応用し,韓国Kospiオプションのimplied volatility指標を作成し,その結果をレフェリーつき学術雑誌に投稿する予定である.
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