2003 Fiscal Year Annual Research Report
戦後日本・アジア経済関係に関する統計的・政策史的研究
Project/Area Number |
15530239
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
金子 文夫 横浜市立大学, 国際文化学部, 教授 (80114445)
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Keywords | アジア / 対外直接投資 / 対外経済政策 / 大蔵省 / 外交史料館 / 外務省記録 / 国際関係史 |
Research Abstract |
本研究は、第二次世界大戦後から現在に至る時期における日本とアジアとの経済関係を歴史的・総合的に把握することを目的とし、長期経済統計の研究と日本のアジア政策史の資料的研究との二領域を設定した。今年度は、統計研究においては、大蔵省(財務省)、日銀などが公表している経済統計を収集・整理し、政策史研究においては、外務省外交史料館が保有している外務省記録の複写を行った。それによって以下の知見が得られた。 1.日本の対外直接投資に関する統計を通観してみると、経済実態の変化とともに、定義、集計方法、範囲、公表方法などが変遷しており、一貫した歴史統計を作成することは、簡単ではない。しかし、定義の変更等に留意しつつ、概略の傾向をたどることは可能であり、その精度をあげることが今後の課題となる。 2.対外直接投資について、フローベースとストックベースの統計が考えられるが、精度の点ではフローベースの信頼度が比較的高く、ストックベースの推計はかなり信頼度が落ちる。 3.外交史料館が保有する1950年代から60年代にかけての外務省記録は、すでに部分的に公開されているが、重要な記録は非公開のままであり、情報開示の請求などの工夫が必要である。 4.1965年のアジア開発銀行設立をめぐって、日本政府は総裁ポスト、本店の所在地などで主導権を握ろうとしたが、必ずしも意図したとおりの成果をあげられなかった。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 金子 文夫: "自由貿易協定の現局面"労働情報. 633. 10-11 (2003)
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[Publications] 金子 文夫: "長期不況下で増大する対外直接投資"労働情報. 638・639. 16-18 (2004)
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[Publications] 金子 文夫: "日韓FTAの現状と問題点"オルタ. 334(発表予定). (2004)
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[Publications] 金子 文夫: "トヨタのアジア戦略"ピープルズ・プラン. 26(発表予定). (2004)