2004 Fiscal Year Annual Research Report
エンプロヤビリティ志向の人的資源管理政策と組織コミットメントの流動化の調査研究
Project/Area Number |
15530256
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
若林 直樹 京都大学, 経済学研究科, 助教授 (80242155)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田尾 雅夫 京都大学, 経済学研究科, 教授 (40094403)
曳野 孝 京都大学, 経済学研究科, 助教授 (50301825)
宮本 光晴 専修大学, 経済学部, 教授 (80138552)
久保 克行 早稲田大学, 商学部, 専任講師 (20323892)
松山 一紀 近畿大学, 経営学部, 専任講師 (80351691)
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Keywords | エンプロヤビリティ / 人的資源管理 / 組織コミットメント / 成果主義 / 心理的契約 / 雇用流動化 |
Research Abstract |
本年度はエンプロヤビリティ志向の成果主義的人事制度改革が従業員の組織に対する帰属意識について強い影響を与えていることを、関西のトップ電機メーカー3社に対する約500人のアンケート調査から明らかにした。 前年度に引き続き、シャープや松下電器、イートンなどの先進的な成果主義的人事制度改革を行っているメーカーに対する調査を行い、企業の戦略的に求める能力を志向した人事制度改革の実態についての調査研究を行った。その結果、シャープのような長期雇用を大事にする制度でも近年の従業員の成果主義志向に合わせて、長期雇用と成果主義の二つのタイプの人事制度を併存させながら、それぞれのキャリア志望に合わせた長期的なコミットメントを活性化させていることがわかった。そして前年を含めて成果主義的な人事制度改革へのヒヤリング調査を含めて、その改革が従業員の会社に対するコミットメントや関わりを長期雇用志向から自己キャリア開発志向に転換しているかを検討した。調査は2004年12月〜2005年1月まで行った。その調査の結果としては、業績給制度を求める従業員が多いものの、成果主義的人事制度改革についてはその評価システムや評価に対する納得度について問題点があると考える従業員が多いことがわかった。そして、組織コミットメントについては、組織に対する感情的なコミットメントはあるものの、存続的なコミットメントについては近年低下傾向にあることがわかった。そして心理的契約尺度で分析すると、企業の自分への昇進評価に納得し長期的にコミットメントしようとするグループや会社を自己のキャリア開発の場として捉えるグループのように、会社でのキャリアを肯定的に捉えるグループが存在する一方で、単なる長期雇用保障や割り切り型の組織帰属に徹するグループのように、会社に対する関わり方を便宜的(道具的)に捉えるグループが存在することがわかった。
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Research Products
(6 results)