2003 Fiscal Year Annual Research Report
研究開発エンジニアの事業化マインドの形成とキャリア変遷に関する研究
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15530269
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Research Institution | Meisei University |
Principal Investigator |
田路 則子 明星大学, 情報学部, 講師 (00322587)
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Keywords | キャリア / デュアル・ラダー / 事業化マインド |
Research Abstract |
日本におけるR&Dエンジニアのキャリアとして、先行研究のデユアル・ラダー(マネジリアルまたはテクニカル志向という昇進パターン)のモデルではなく、トリプル・ラダーを提言する。それらラダーは、結果として示される差異であって、元来持っている個人の資質の差によって生じる差異は小さいと考える。差異を生じさせる要因ではないが、相互に関連する関係にあるのが事業化マインドである。 マネジリアル・ラダー(事業化マインドが強い) (1)事業化経験が契機(事業化マインドが強い)は、キャリアの変遷(事業部やマーケティング部への異動経験)や事業化プロジェクトへの編入の経験を経て、事業化マインドが高くなった場合。(2)危機意識が促進(事業化マインドが特に強い)は、若年からプロジェクト・マネージャーを意識し、マネジメント能力の習得が少ないことに危機を感じた場合。日本では少数派。(3)雇用制度適応(事業化マインドは中)は、マネジリアル・ラダーでの昇進を余儀なくされる日本の人事制度に従った結果。 サイエンス・ラダー(事業化マインドがある、または意識している) 不連続イノベーション、次世代のため テクノロジー・ラダー(事業化マインドが強い) 製品化、生産性向上への寄与 そして、3つのラダーのいずれにも登れない問題児は、事業化マインドが低い。「ボタン型」の与えられた課題を解決するという手先の器用さを得意とするタイプ、「鈍感型」の個人や組織のミッションを理解していないタイプ、「迷宮型」の出口を見出そうとしない、研究のための研究への逃避型タイプ
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