2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15530280
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Research Institution | Ryukoku University |
Principal Investigator |
松岡 憲司 龍谷大学, 経済学部, 教授 (40141668)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野方 宏 静岡大学, 人文学部, 教授 (70094521)
中久保 邦夫 姫路獨協大学, 経済情報学部, 教授 (80164151)
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Keywords | 再生可能エネルギー / 風力発電 / 技術革新能力 / 経路依存性 / 地縁技術 |
Research Abstract |
技術革新によって技術は変わるわけであるが、新技術はなんらかの形で既存の技術の延長上にある。いわゆる技術の経路依存性である。技術にも経路依存性があるということは、技術の伝統や地域に根ざしている地縁的な技術が重要であることを意味している。技術革新には、革新を進めていくための諸問題を解決していくための能力が必要である。技術革新について、企業や社会が備えている、問題解決のための処理手順を「技術革新能力」と呼ぶ。図書として発表した『風力発電機とデンマークモデル-地縁技術から革新への途-』では、風力発電機の技術開発の国際比較は、それぞれの国がもっている「技術革新能力」の違いが、風力発電機開発にどのように影響したのかを考えた。 まず第1章では世界と日本における風力発電の現状と風力発電機産業の概要を展望した。第2章では、近代的な発電用風車に至る前の、伝統的な風車による、風エネルギーの利用技術の変遷について史を、風車の本場オランダと、近代的な風力発電機産業の中心地であるデンマークを中心として振り返っている。第3章では、デンマークにおける風力発電機開発の歴史的経過を19世紀の末から現代に至るまで、歴史的に辿ってみた。第4章では、現在世界でもっとも風力発電が盛んなドイツについて、風力発電機開発の経過を第二次世界大戦の前から追いかけている。第5章では風車の本場オランダにおける第二次世界大戦後の風力発電機開発経過をを振り返った。第6章では、日本の明治以降の風力エネルギーの利用と風力発電機の開発の歴史を展望した。補章は、わが国の再生可能エネルギー導入政策を概観した。これは、風力発電機産業と直接は関わらないが、風力発電機の需要に影響する重要な側面である。終章では、技術革新能力という視点から、ここで取り上げた四ヵ国の風力発電機の技術開発に関する特徴をまとめた。
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Research Products
(2 results)