Research Abstract |
本年度は、自治体の電子化レベルを測定するアンケート調査とヒアリング調査を行った.前年度に実施した調査研究に基づいて,「庁内情報化」,「行政サービス」,「情報セキュリティ」を大項目として質問項目を作成した.765の市・特別区にアンケートを依頼し,496の回答を得た.この調査結果の分析を行うとともに,宇治市,花巻市,北上氏,水沢市,岡山市,札幌市,北海道,岡山県へのヒアリング調査を実施した.ヒアリング調査では,回答内容のフォローアップを行い,評価尺度の設定に関わる知見の収集を行った. また,自治体における情報システムの活用レベルをとらえることを目的として,市町村合併による情報システム統合についても調査を実施した.前年度までのヒアリング調査に加えて,アンケート調査を実施して,情報システム統合の実態を明らかにした.さらに,情報システム統合を担当したベンダへのヒアリング調査を実施し,自治体における情報システムの位置づけについての課題を検討している. 以上の調査・研究の成果は,著書,学会発表,記事等で公表している. その内容は,全体的な考察として電子自治体の実現に向けた検討や自治体の電子化レベルの測定に関するものがあり,そのほか細分化した研究課題として,情報システムの統合の実態,住民への情報提供ならびに情報交換,情報セキュリティの実態と発展段階の提案,情報倫理とセキュリティの関係についてのものがある. 本年度の研究成果によって,前年度に検討した評価尺度がより統合的な指標となった.今後は,指標から示される発展段階にも着目して分析を行い,評価尺度の構築を完遂させる予定である.
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