2003 Fiscal Year Annual Research Report
e-エコノミーにおける新しい管理会計パラダイムの構築-国際比較にもとづいて-
Project/Area Number |
15530310
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Research Institution | Kwansei Gakuin University |
Principal Investigator |
小菅 正伸 関西学院大学, 商学部, 教授 (90161926)
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Keywords | 管理会計 / プロセス管理 / 戦略管理会計 / e-エコノミー / 情報化社会 / 国際比較 |
Research Abstract |
本年度は、本研究の初年度であるため、まず「現代社会における経営管理のための会計」に関する、内外の先行研究に関する文献レビューを行い、次いで、わが国のエレクトロニクス産業の代表的な企業である松下電器産業本社・門真工場とシャープ本社、そしてキャノン滋賀工場と日立製作所本社を訪問し、そこにおいて現実に行われている管理会計とコスト・マネジメントの実態について聞き取り調査を行った。e-エコノミー化が進み、組織を超えてネットワーク化が浸透するにつれて、伝統的な管理会計の技法や概念は一体いかなる点において限界を露呈し、厳しい批判に晒されているのかを明らかにすることが、一連の訪問調査の主たる自的であった。 文献研究の成果の一部は、これを日本会計研究学会第62回全国大会(2003年9月、近畿大学で開催)の統一論題報告において発表し、その研究成果を論文として学会誌の『會計』に公表した。また、松下等へのインタビュー調査結果については、日本管理会計学会2003年度全国大会(2003年9月、関西学院大学で開催)のテーマセッションにおいて発表した。いずれの報告も好評を得ることができた。 また、e-エコノミー化は必然的にグローバル化を促進し、グローバル化は結果としてアングロサクソン流の資本主義化へと収斂する傾向が顕著となってきたけれども、米国、豪州、韓国、そしてわが国とでは、管理会計のパラダイム・シフトが微妙に異なる形で提唱されているという点に注目し、管理会計の国際的な比較研究の基礎づけを行うために、本年度は韓国と台湾の研究者と協力して、3ヵ国の主要企業を対象としたアンケート調査を実施した。2004年3月末が回答期限であるため、当該調査結果の分析等は平成16年度の研究としてこれを行う予定である。
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Research Products
(1 results)