2003 Fiscal Year Annual Research Report
地域高校の統廃合による過疎地コミュニティへの影響に関する社会学的研究
Project/Area Number |
15530323
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
轟 亮 金沢大学, 文学部, 助教授 (20281769)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉川 徹 大阪大学, 人間科学研究科, 助教授 (90263194)
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Keywords | 高等学校 / 統廃合 / 社会意識 / 地域教育行政 / 少子化 |
Research Abstract |
調査対象校の統廃合問題に関するこれまでの決定プロセスと、学校教育現場および地域社会における影響について、学校関係者(現教職員、現学校長、旧職員、周辺学校教職員等)からの聞き取り調査を現地において行った。同時に、統計資料、学校管理計画、学校要覧等の基礎的資料を収集した。また、新聞記事データ・ベースの検索を行い、統廃合問題の時系列的な推移を整理した。この結果から、次年度以降に実施予定の県教育行政機関に対するインタビューのポイントを明確化した。また、調査を行う上で必要な、県教育行政関係者とのラポールの形成を図った。 また、対象校在校生に対する進路選択行動と社会意識・生活意識調査を実施した(有効回収数33、回収率100%)。このデータと、1992年に調査対象校の高校生を対象とした量的調査、および2002年度全国調査のデータを一つのデータ・セットとし、比較分析を行った。ここから、対象校生徒の学校との関係の改善、自己確信性の高まりが確認された。また、全国平均に対して学校外での生活行動や意識が異なるものの、学校適応、職業意識は有意な差異が見られないことが確認された。これにより当該地域における対象校の現在の位置づけが明確になった。データ収集および分析の過程に渡って、カリフォルニア大学ロサンゼルス校の社会意識の計量分析を専門とする研究者から提供された、本研究のデータ分析に必要な専門的知識を活用した。対象校には、単純集計表および分析結果のフィードバックを行った。 さらに、次年度以降の研究計画である、1992年調査対象者に対する卒業生調査の調査枠組、調査計画を、先行研究・調査の分析から検討・作成した。調査実施のための学校責任者、同窓会組織等とのラポールの獲得を図った。
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