2004 Fiscal Year Annual Research Report
生活空間・生活時間・メディアの家族コミュニケーションへの影響に関する社会学的研究
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15530333
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Research Institution | Senri Kinran University |
Principal Investigator |
安達 正嗣 千里金蘭大学, 人間社会学部・情報社会学科, 教授 (20231938)
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Keywords | 家族 / コミュニケーション / 社会学 / 相互作用論 / 世代間関係 / 高齢者 / 小説 / アメリカ合衆国 |
Research Abstract |
2年度次にあたる平成16年度では、15年度に引き続いて国内外の家族コミュニケーションに関する社会学的研究の既存文献を収集して検討したうえで、これまでの知見や仮説を整理して、その研究のパースペクティヴや研究方法の提示を試みた。おもにアメリカ合衆国における家族コミュニケーションについての豊富な研究業績から、シンボリック相互作用論、家族システム論、多世代家族発達論などによる研究方法や調査方法を検討している。 そのなかで明らかになったことは、つぎの3点である。 (1)世代間コミュニケーションの観点を導入することの重要性が、より明確となった。したがって今後の研究では、やはり高齢者世代を中心としながら、親子、きょうだい、祖父母・孫などといった世代間関係のあり方に焦点をあてることによって、現代の家族コミュニケーションを考察していくことがひじょうに有益である。 (2)生活時間レベルで家族発達期およびその時期の役割移行にともなうライフイベントを、生活空間レベルで家族のもつネットワークや文化的背景を、メディア・レベルで家庭内のコミュニケーションを媒介する装置(モノ)を、それぞれにとらえて考察することが適切である。 (3)調査の方法としては質問紙調査の数量的データの分析が大多数をしめており、質的データの分析による解釈論的アプローチはアメリカ合衆国でも少数となっている。これは、面接調査や参与観察といった方法が対象者のプライバシーなどの問題によって困難なためである。こうした点から本研究では、おもに小説を家族コミュニケーションの分析テキストとして用いることにするが、NFRJ03(第2回全国家族調査)の数量的データも、全国的な傾向を把握するために活用する。
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Research Products
(2 results)