2003 Fiscal Year Annual Research Report
看護専門職養成における構造的課題の解明―養成課程の違いによる職業的社会化への影響要因の検討―
Project/Area Number |
15530334
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Research Institution | Yamaguchi Prefectural University |
Principal Investigator |
田中 マキ子 山口県立大学, 看護学部, 助教授 (80227173)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川嶋 麻子 山口県立大学, 看護学部, 助手 (80336932)
森山 美知子 広島大学, 医学部, 教授 (80264977)
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Keywords | 職業的社会化 / Burnout / 看護専門教育 / 学校種別 / 現実的対応能力 / 人格形成育成 |
Research Abstract |
今年度、上記テーマに従い、看護専門職養成の違いから生じる臨床看護実践能力(思考方法等を含む)を評価するためのアンケート調査票を作成し、職業アスピレーションの違いやBurnoutスコアによる現状でのメンタル状況の測定、将来に対するキャリア志向等について量的調査を行った。 調査対象者としては、看護系大学卒業者と看護短期大学卒業者、看護専門学校卒業者といった3つの異なる養成機関卒業者であり臨床経験3年〜5年の看護師とし、九州・山口・大阪・東京・金沢・富山・北海道エリアにある病床数300以上を有す公的・私的総合病院に勤務する829名であり、郵送法において回答を求めた。結果、522名からの回答をえ、回収率は63.1%であった。 一次分析の結果、学校種別によるBurnout出現率を検討した結果、達成感の衰退に有意な差が認められ、短期大学出身者において顕著であった。また、達成感の衰退に影響を及ぼす原因について検討するために、学校種別を従属変数とし学生時代に受けてきた教育に対し「悪い」と評価した項目とのクロス検討を行った。結果、短期大学出身者は「現実的対応能力(問題解決能力)の育成」や「人格形成育成」において教育内容が「悪い」と回答する割合が有意に高いなど、養成課程の違いに基づく職業的社会化が行われる実態とその影響について若干明らかにできた。今後、質的データと併せ詳細分析を行う予定である。 なお研究成果の公開として、2004年8月開催Fifth International Nursing Research Conferenceにおける報告2題が受理された。「Influence of School Types on the Sense of Accomplishment of Clinical Nurses」と「Educational Needs of Basic Nursing Education for Promoting the Standardization of Medical and Nursing Care」である。
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