2005 Fiscal Year Annual Research Report
北海道における少子化-地域出生力低下のシステム・ダイナミックッス・モデルの構築
Project/Area Number |
15530335
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Research Institution | Hokkaido Tokai University |
Principal Investigator |
原 俊彦 北海道東海大学, 国際文化学部, 教授 (00208654)
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Keywords | 少子化 / 地域人口 / 北海道 / シミュレーション / システムダイナミックス / 低出生力 / 都市化 / 少子化対策 |
Research Abstract |
本研究は、北海道の少子化について出生・有配偶関係などを中心に時系列・年齢別・地域別(全道・札幌市など)データを収集・分析し、少子化の要因とメカニズムを考察し、包括的なシミュレーション・モデルを構築することを目指している。 今年度、その第三段階として行った研究作業と主要な知見は以下の通りである。 ●シミュレーションの中核となる札幌市の人口動態(年齢構造・死亡率・配偶関係・人口移動)のモデル化(コーホート・センサス間の変動をベースとしたマクロモデル)を行い、1995年-2000年、1985-1990年、1965-1970年の各センサス間を基点とする3つのプロトタイプを作成、年齢別人口、出生力、配偶関係の変動を問題なく再現することができた。 ●昨年度、おこなった社会経済要因のクロスセッション分析で、各年齢階層に共通して影響が大きかった男子の最終学歴(高卒以下)割合と、同じく男子の第二次産業就業者割合の、二つの要因を独立変数に、初年度の統計分析で明らかとなった少子化の主要な人口学的要因として、女子の未婚初婚率と有配偶出生率を従属変数とする時系列回帰分析を行った。この結果、時系列データを使用した場合には、両従属変数とも、二つの社会経済・要因のみで十分に推計できることが明らかとなった。 ●この時系列分析の結果を元に、女子の未婚初婚率と有配偶出生率の変動倍数を設定。この倍数を組み込んだプロトタイプモデルによるテストシミュレーションを行った。その結果、1965年から2000年までの札幌市の合計特殊出生率の動きをほぼ完全に再現することができた。 なお、これらの研究成果については、2006年6月に慶応義塾大学三田キャンパスで開催される第58回日本人口学会大会にて報告する予定である。
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Research Products
(4 results)