2003 Fiscal Year Annual Research Report
徳川後期農民のライフコースと直系家族世帯形成のメカニズム
Project/Area Number |
15530338
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Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
岡田 あおい 帝京大学, 文学部, 助教授 (50246005)
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Keywords | 家族社会学 / 家族史 / 歴史人口学 / 宗門改帳 / 世帯 / 直系家族 / 世帯構造 / ライフコース |
Research Abstract |
本研究は、2つの地域(東北日本6か村・中央日本6か村)の宗門改帳を史料とし、徳川後期農民のライフコースを人口学的指標から明らかにし、彼らのライフイベントが直系家族世帯形成にどのような影響を及ぼしているのかを明らかにする。2つの地域の共通点と独自性から、直系家族世帯形成のメカニズムを解明することが目的である。 本年度は、主に、従来の研究成果を整理し、関係資料の収集をおこなった。関係資料の確認を通し、ライフコース研究と世帯研究に必要な指標について検討し、会津4か村の史料整理とデータクリーニング、中央日本2か村の史料整理をおこない、データベース構築を開始した。主な作業は、以下のとおりである。 1 現地調査:歴史的・地域的特徴を明らかにするために、岐阜県安八郡周辺をフィールド調査し、大垣市図書館・郷土史料館等で、関係資料の収集をおこなった。 2 データベースの作成:世帯研究の指標を作成するために、麗澤大学東京研究センターに赴き、基礎シート(BDS)の確認作業をおこなう。すでに申請者がデータベース化した会津4か村を例とし、ライフコース研究と世帯研究に要な分析指標を検討し、データベース作成のデザインを決定した。会津4か村のデータベースは、既存のものを利用し、再構築をおこない、データクリーニングをおこなっている。中央日本の史料については、データベースの構築を開始した。 3 成果報告:本研究では、世帯構成の分類に、歴史人口学で最も利用されているハメル・ラスレットモデルを修正して用いることにする。一連の研究を整理し、ハメル・ラスレットモデルの限界と修正可能性について、さらに、具体的な修正方法についてまとめ、論文として発表した。 本年度は、データベースの構築方法の検討に時間を費やし、分析にはいたらなかった。この点が課題として残った。
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Research Products
(1 results)