2004 Fiscal Year Annual Research Report
カール・ラートゲンの日本社会論と日独の近代化構造に関する研究
Project/Area Number |
15530351
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Research Institution | BUKKYO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
野崎 敏郎 佛教大学, 社会学部, 教授 (40253364)
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Keywords | ラートゲン / ヴェーバー / アルトホフ / シュモラー / クニース / ハイデルベルク大学 / 大学問題 / 近代化 |
Research Abstract |
前年度に引き続き、カール・ラートゲンの主著『日本の国民経済と国家財政』の主骨格の把握に努めるとともに、彼の足跡について調査した。ベルリン・プロイセン機密公文書館において彼の書簡を閲覧し、プロイセンの大学行政官アルトホフと彼との関係を知ることができた。ドイツ外務省政治公文書館において、彼の滞日中の外務任務と帰国時とに関する史料を閲覧した。これによって、帰国からベルリン大学勤務までの経緯と、マールブルク大学からハイデルベルク大学への割愛の経緯とを明らかにした。これらは日本においてもドイツにおいても従来全く知られていなかった新事実である。カールスルーエ総合公文書館、ハイデルベルク大学史料館、同大学図書館において、彼の同大学勤務時の教務関係資料を閲覧した。その際、同大学の改革問題に彼が積極的に関与していたことが判明したので、彼の意向・動向と、彼の同僚マックス・ヴェーバーの意向・動向とを比較対照しながら、ドイツにおける大学の近代的変革について考察した。同大学のM・ライナー・レプジウス教授と会見し、ヴェーバーとラートゲンとの関係について意見を交換した。ラートゲンの令孫バルトホルト・C・ヴィツテ氏と二度会見し、同氏のご厚意により、ラートゲンの書簡を多数入手した。他に、ケルン大学、ボン大学、ベルリン国立図書館において、彼の周辺の人物に関する第一次史料と大学関係図書とを閲覧した。この調査を通じて、ラートゲンとヴェーバーの大学人としての活動の一端が判明したので、第77回日本社会学会大会(2004年11月20日、於熊本大学)において、「マックス・ヴェーバーはいかにしてハイデルベルク大学に招聘されたか」と題する研究報告を行い、また論文「マックス・ヴェーバーとハイデルベルク大学(1)」(佛教大学『社会学論集』第39号、2004年9月)「同(2)」(同誌第40号、2005年3月)を執筆した。
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Research Products
(2 results)