2003 Fiscal Year Annual Research Report
移動体通信とインターネットの普及とその社会的影響に関する社会学的研究
Project/Area Number |
15530352
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Research Institution | Bukkyo University |
Principal Investigator |
富田 英典 佛教大学, 社会学部, 教授 (50221437)
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Keywords | 携帯電話 / インターネット / メディア文化 / グローバル化 |
Research Abstract |
インターネットと携帯電話の普及状況は国や社会によって異なる。また、新しい通信テクノロジーの発達は既存の通信インフラとの関係で利用形態も変化する。本研究では、メディアと社会のダイナミックな関係を念頭に置きながら、携帯電話に代表される移動体通信とインターネットの普及とその社会的影響を社会学的な観点から研究することを目的としている。本年度は2年間の研究期間の初年度に当たるので文献・資料の収集を主に実施した。アメリカ・カナダ・オーストラリア・中国・インドにおけるモバイル・マーケットに関する文献・資料、北アメリカ・南米・ヨーロッパ・アジア太平洋におけるモバイル・アダルトコンテンツに関する文献・資料などを収集した。予想していたことではあるが、移動体通信に関する社会学研究論文は世界的にみても非常に少ない。それに対して、民間企業によるマーケティング調査は膨大な数に達している。国境を越えて拡大しつつあるインターネットと移動体通信のマーケットは、まさにグローバル化を念頭においた研究が必要であることが民間の調査をみてもわかる。収集した文献・資料の中では、特に中国における携帯電話市場の動向が注目に値する。中国で生産される携帯電話の数は2001年に8350万台であったが2008年には3億7790万に増えると予測されている。米国では、携帯電話の価格が平均で2003年に1998年の200ドルから147ドルまで下落し普及に拍車がかかっている。現在、携帯電話の機能として世界的に関心を集めているのがデジタルカメラ機能であるが、西欧でもデジタルカメラ付き携帯電話の出荷台数は2002年の262万台から2006年には7003万台に達すると予想されている。世界中で急速に普及が進む携帯電話とインターネットは、不思議なことに各国や地域の文化を超えて似たような社会現象を引き起こしている。その原因を探ることが次年度の課題のひとつである。
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Research Products
(2 results)