2003 Fiscal Year Annual Research Report
加齢する障害を持つ人々の参加と環境との関連性に関する研究
Project/Area Number |
15530378
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Research Institution | Seigakuin University |
Principal Investigator |
増田 公香 聖学院大学, 人間福祉学部, 助教授 (60316776)
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Keywords | 環境因子 / CHIEF(Craig Hospital Inventory of Environmental Factors) / 参加 / CIQ / 身体障害者 / 加齢 |
Research Abstract |
平成15年度の「加齢する障害を持つ人々の参加と環境との関連性に関する研究」の研究実績としては次の2項目となる. 1.CHIEFの日本語訳化 2001年5月に世界保健機関(WHO)にて新たなる障害概念として定義されたICF (International Classification of Functioning, Disability and Health,以下ICF)においては、新たなる要因として環境因子が加えられた. そのような背景の下、2002年ICFの環境因子の評価尺度としてアメリカコロラド州のクレッグ病院にてCHIEF (Craig Hospital Inventory of Environmental Factors)が開発された.本研究では、以下のプロセスを経てCHIEFの日本語訳化を行った.(1)開発者であるアメリカコロラド州クレッグ病院のGale Whiteneck博士にCHIEFの日本語訳化の許可及び承諾を直接得た.(2)筆者及び英語に堪能な社会福祉学研究者によりCHIEFの日本語訳化を行った.(3)バックトランスレーションを行った. 2.日本全国の脊髄損傷障害者の環境と参加の実態把握 日本語訳化を行ったCHIEFと、アメリカのニューヨーク大学のBarry Willer博士により開発された参加の評価スケールであるCIQ (Community Integration Questionnaires:平成13・14年度若手研究(B)にて増田公香・多々良紀夫が日本語訳化)を用い、身体障害者の参加と環境との関連性についてアンケート調査を行った.実施内容及び結果としては、日本脊髄損傷教会に依頼し、日本全国の脊髄損傷障害者3600名に対しCHIEFとCIQ及び入院・就職先において困っていることに関して質問した.実施時期は、2004年1月20日から2月10日までとした.その結果、1432名からの有効回答が得られた(回収率39.8%). 結果より以下の点が判明した.(1)教育・雇用・レクレーションの機会に関しては健常者と差異はない(2)CHIEFのスコアは年齢別に見たとき有意差は確認されなかったが、CIQによる参加の程度に関しては年齢別に有意差が確認された(3)医療機関・就労環境に関しては半数以上がトイレの設備を挙げている.以上3項目が確認された.尚、15年度の調査に関しては当初複数の障害種別による調査を実施していたが、先方の依頼先との交渉が灘航し、その結果調査実施が大幅に遅れた.
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