2005 Fiscal Year Annual Research Report
加齢する障害を持つ人々の参加と環境との関連性に関する研究
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15530378
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Research Institution | Seigakuin University |
Principal Investigator |
増田 公香 聖学院大学, 人間福祉学部, 助教授 (60316776)
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Keywords | 精神障害を持つ人々 / CHIEF / CIQ / 高齢化 / SADP / IDP / 障害を持つ人々に対する意識 |
Research Abstract |
平成17年度は、以下の2つの研究を行った。第一には、30歳以上の加齢する精神障害を持つ人々に対してCHIEF(Craig Hospital Inventory of Environmental Factors)をもちい環境の実態把握を行い、さらにCIQ(Community Integration Questionnaire)をもちい参加の実態把握を行った。第二には、障害を持たない健常者に対して障害者に対する意識調査をSADP(Scale of Attitudes Toward Disabled Persons)及びIDP(Interaction with Disabled Persons Scale)という評価スケールを用いて行った。詳細については以下のとおりである。 第一の精神障害を持つ人々に対して行った調査は、対象は30歳以上の精神障害を持ち地域に在住している人々1,680名を対象にした。対象の選定に当たっては日本全国47都道府県の精神障害者家族会に調査依頼を行い、同意を得られた22都道府県の家族会にアンケートの依頼を行った。その結果、891名から有効回等が得られた(有効回答率47.9%)。結果は、男性571名・女性276名・無回答44名で、平均年齢は42.23歳(±11.2)であった。既婚は83名(9.32%)であった。CHIEFの「障害のない健常者と同様の機会が開かれているか」という質問に対して「開かれている」と回答したのは、教育35.6%・雇用19.4%・レクリエーション48.7%であった。CIQをもちいた参加の程度に関しては、平均得点12.3点(±5.41)で家庭統合3.3点(±2.9)・社会統合5.5点(±2.2)・生産性3.5点(±2.2)であった。 第二の健常者に対して行った調査は、地域に在住する18歳以上の障害を持たない人々に対し障害を持つ人々1,000名に対して意識調査を行った。結果は、440名から有効回等が得られた(有効回答率44.0%)。男性は201名(45.7%)・女性235名(53.4%)・無回答4名(0.9%)であった。最低年齢18歳・最高年齢80歳で平均年齢38.6歳(±15.7)であった。SADPの平均値は、94.1(±14.9)で男女別に見てみると男性92.1(±15.3)女性96.1(±14.4)で男性のほうが高かった。また、IDP得点に関しては、平均70.1点で男女別にみると、男性70.1(±9.3)女性70.1(±8.8)で、IDP得点からは男女差は見られなかったもののSADP得点からは女性のほうが障害を持つ人々に対してより前向きな理解があることが把握された。
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