2003 Fiscal Year Annual Research Report
社会福祉施設における福祉サービスおよび労働安全衛生のリスクマネジメント
Project/Area Number |
15530388
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Research Institution | Kawasaki University of Medical Welfare |
Principal Investigator |
田口 豊郁 川崎医療福祉大学, 医療福祉学部, 教授 (30197248)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡辺 貴子 川崎医療福祉大学, 医療福祉学部, 助手 (90341164)
竹中 麻由美 川崎医療福祉大学, 医療福祉学部, 助教授 (60341153)
小河 孝則 川崎医療福祉大学, 医療福祉学部, 教授 (90284059)
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Keywords | 社会福祉施設 / 福祉サービス / 労働安全衛生 / リスクマネジメント / マネジメントシステム / 作業環境管理 / 作業管理 / リスクアセスメン |
Research Abstract |
H15年度の研究実績の概要 1)全国社会福祉施設経営者協議会のヒヤリハット調査報告の検討:報告書に記載されている事故例の中で特別養護老人ホームの事故例では,転倒事故が最も多かった(396例中198例;50%).転倒事故について,加害・被害者関係をみると,職員が関わった利用者の転倒事故が29%,利用者の自損によるものが61%,施設の環境による事故が10%であった.これらは福祉サービスのリスクであるが,同時に労働安全衛生に関わるリスクと考えられた.不安全行動と不安全状態の予防(作業管理と作業環境管理)によってリスクは小さくできると考えられた. 2)社会福祉援助技術現場実習生からみた社会福祉現場での「福祉サービスのリスク」と「労働安全衛生リスク」の現状調査:社会福祉援助技術現場実習を行った学生205人に対して,実習中に体験した事故(ごく些細な事故を含む)の調査を行った.事故を被害者別で見ると,利用者(83%)>実習生(9.5%)>職員(7.1%)であった. 3)社会福祉施設のリスク 労働安全衛生マネジメントシステム(労働省告示)では,リスクマネジメントの実践のためのツールとして,リスクアセスメントの手法が取り入れられている.リスクアセスメントに取り組むために,特別養護老人ホームのパトロールによりハザードを抽出した.潜在するハザードは健康面および安全面のハザードに分類できた.これらのハザードは,利用者および職員に共通のものが多かった.福祉サービスと労働安全衛生のリスクアセスメントを分けて考えることは困難であった. これらの一連の研究結果から,福祉施設の事故の予防のためには,利用者側の「福祉サービスのリスクマネジメント」に加えて,従業員側の「労働安全衛生のリスクマネジメント」が重要であるが,これらを分けて考えるのではなく,二つのリスクマネジメントの統合の必要性・有効性を示せた. 学会発表 1)武中麻由美,渡邊貴子,田口豊郁,小河孝則(2003)社会福祉施設における福祉サービスおよび労働安全衛生のリスクマネジメント--リスクマネジメントを支える組織について--.日本社会福祉学会第51回全国大会(大阪),報告要旨集,358-358. 2)武内宏憲,田口豊郁(2003)社会福祉現場職員のストレス実態--訪問介護者と施設介護者ストレス比較--.日本社会福祉学会第51回全国大会(大阪),報告要旨集,370-370.
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Research Products
(1 results)