2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15530394
|
Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
山本 眞理子 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 教授 (70166825)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮本 聡介 常磐大学, 人間科学部, 助教授 (60292504)
|
Keywords | 対人関係におけるメタ期待 / 対称的結果依存状態 / 対人情報処理 / 日米間比較 / 対人的動機 / 期待される対人関係の特徴 / 対人関係メタ期待尺度 |
Research Abstract |
対人関係は基本的にこのような特徴を持っている、と我々が暗黙に認識しているものを、本研究では「対人関係におけるメタ期待」と呼ぶ。このメタ期待は、文化によるしばりを受け、同一の対人行動に対して、異なる文化は異なる判断を生じさせていると考えられる。昨年度は、このメタ期待の日米間の差異を、基本的動機や初対面の相手への反応などを中心に、海外の共同研究者と協議、検討しながら理論化を試みた。 16年度では、これらの理論化をもとに、日米間のメタ期待の相違点を検討するために、以下の2つの研究を行った。第1の研究では、「友人の友人シナリオ」(Scenario of "a friend of friend":友人の友人として未知の他者に出会った時にどのような行動をとるかという具体的状況を設定し、そこでの対人行動として記述された内容を日米で整理し、比較した。その結果、アメリカ人は相手に対して、オープンで積極的に親密さを示そうとする傾向があるのに対して、日本人は、慎重で、過度に親しげにしない用心探い対応を取りやすいことが示された。これらのことから、アメリカ人は対人関係を"loose, wide & flexible"ととらえているのに対して、日本人は"committed, secure & fixed"ととらえていることが示唆され、理論的に整理されたものと整合的な傾向が結果として示されたといえる。 また、対人関係をユニットとしてとらえている程度、や対人関係の自立性にこだわる程度を測定する尺度の作成を試みた。質問紙調査の結果、対人関係の認識は、ユニットと集団所属(自立性)の因子に分かれること、日本ではユニットとしてとらえる傾向、アメリカでは自立したものとしてとらえる傾向があることが示された。 これらの研究結果をもとに、現在、「対人関係メタ期待」尺度を精錬させる作業を行っている。
|