2003 Fiscal Year Annual Research Report
国際比較調査における質問項目の翻訳等価性および特異項目機能の方法論的検討
Project/Area Number |
15530399
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
野口 裕之 名古屋大学, 教育発達科学研究科, 教授 (60114815)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤本 亮 活水女子大学, 健康生活学部, 助教授 (80300474)
|
Keywords | 国際比較 / DIF分析 / 法意識 / Fスケール / IRT / 項目特性曲線 / 翻訳等価性 / 内容的等価性 |
Research Abstract |
今年度実施した研究による成果は以下のとおりである。 1 Fスケール(力に対する志向度スケール)項目に対する応答傾向の国間での違いを項目特性曲線を描いて、視覚的に検討した。日本と米国間での違い、英語圏の中での英国とニュージーランドとの類似性など興味深い結果が得られた。 2 外国語としての日本語能力を自己評価する質問項目データに対して、DIF検出法の中からa) BILOG-MGによる均一DIF検出法,b) SIBTESTによるノンパラメトリック法,c) Thissenn他による尤度比検定法,を適用して、DIFが検出される項目の異同を検討した。一部異なる項目がDIF項目とされるものの、多くは方法に共通してDIFとされ、むしろ複数のDIF検出法を適用して、共通してDIFとされる項目をDIF項目とすることが望ましいことが示された。 3 複数のDIF検出法を適用するにしても、最終的にどの方法を適用するかについては、現在検討中である。 4 Fスケールは原文は英語であるが、表現の厳しさの異なる2通りの日本語訳を作成し、大学生を対象とする調査をパイロット・スタディとして実施した。その結果、言語表現が厳しい方の日本語訳では、「賛成」に回答する比率が低くなった。言語表現の細かい点にも配慮する必要性が伺われた。 2004年度は、法意識(政治意識)に調査分野をしぼることとして、「Fスケール項目」(16項日)および「社会規範意識項目」(14項目)の日本と米国間でのDIFについての詳細な検討に入る。
|