2004 Fiscal Year Annual Research Report
説得的メッセージに対する自動的反応の生成についての研究
Project/Area Number |
15530405
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Research Institution | Toyo University |
Principal Investigator |
北村 英哉 東洋大学, 社会学部, 教授 (70234284)
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Keywords | 説得的コミュニケーション / 態度変化 / 自動的反応 / フォールス・メモリー / 社会的認知 |
Research Abstract |
平成16年度には説得的メッセージに対する自動的反応について3つの実験を行った。説得的メッセージの呈示に伴う無自覚的影響を検討するため、メッセージのフォールス・メモリーの検討を6月に行った。15個の説得的メッセージを説得力の評価として1度呈示し、2週間後に類似の新たなメッセージ6つを先に呈示した6つと混ぜて呈示したところ、多面的思考傾向が低い実験参加者は、新たなメッセージに対して2週間前にあったとするフォールス・メモリーを生じやすかった。さらに、フォールス・メモリーを多く生じる傾向のある者の方が、より説得メッセージの趣旨に賛成する説得効果を生じやすいことが示され、無自覚的な認知過程が説得効果に影響することが示唆された。昨年度の命題の反復効果と併せて17年1月にアメリカで開催されたSociety for Personality and Social Psychology第6回大会において発表を行った。次に、説得的メッセージを呈示するフレーミングの1種として、説得の感情的トーンの違いが受け手の感情状態とマッチすることが効果をもたらすか検討する実験を11月に行った。ポジティブ気分にある実験参加者はよいことを推奨する説得、ネガティブ気分にある者では推奨と禁止の両タイプが同程度効果的で、気分状態により説得トーンの違いが無自覚的に影響することが示された。12月には、作成した画像を利用した説得の自動的効果を検討する実験を行った。たまたま流れているビデオ画像として広告メッセージに接する場合と、意識的に接する場合を比較し、メッセージの性質-論理的訴求とイメージ的訴求によって効果が異なることを示した。論理的訴求は意識群において、イメージ的訴求は自動的処理群で効果が高かった。成果は17年3月の第52回日本グループ・ダイナミックス学会で発表された。画像呈示の方法について成果の一部を「パーソナル・コンピュータによる心理学実験入門」として編集刊行した。
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Research Products
(2 results)