2005 Fiscal Year Annual Research Report
9.11事件以来テレビニュースはどう変ったか〜日米テレビニュース比較研究2004
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15530409
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Research Institution | Musashi University |
Principal Investigator |
小玉 美意子 武蔵大学, 社会学部, 教授 (10231482)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
白水 繁彦 武蔵大学, 社会学部, 教授 (10162778)
吉田 文彦 東海大学, 文学部, 教授 (60210720)
小田原 敏 武蔵大学, 社会学部, 教授 (60268323)
音 好弘 上智大学, 文学部, 助教授 (60266062)
鈴木 弘貴 十文字学園女子大学, 社会情報学部, 助教授 (40337639)
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Keywords | 9.11 / 同時多発テロ / ジャーナリズム / ニュース / 情報源 / テレビニュース / ジェンダー |
Research Abstract |
<番組分析> 2004年11月-12月にかけて、連続しない3週間、各国夕方の主要全国テレビニュース番組をサンプルとして収集し、ニュースがあつかう範域、分野、情報源、取材、報道従事者等の内容分析をした結果、以下のことが明らかになった。アメリカのCBS Evening News(CBS)は、自国と直接関係のある国際ニュースは多かったが外国ニュースは極めて少ない自国中心主義である一方、局独自のテーマ設定で医療番組に多くの時間が割かれた。日本の『NHKニュース7』(NHK)は地方ニュースをよく扱っており、社会ニュースが多いのだが、発表ものの比率が極めて高く、女性とマイノリティの参画は非常に少なかった。ブラジルのJornal Nacional(Globo)は経済ニュースが多く、取材情報源は多様で、女性の参画比率が高かった。イギリスのSix O'Clock News(BBC)は外国ニュースの比率が他国より高く、議会における政策論議を中心とする政治ニュースが多かった。以上の特徴は、その国の社会背景と報道やテレビニュースのあり方と関係していることは、平行して行った現地インタビュー調査と照合して明らかになった。即ち、ニュースにおける考え方、ニュースバリューについての発想、また国民レベルにおけるニュースとしての興味の対象の違いなど、本質的な違いがニュースに表出しているのである。 <テーマ別分析> 前述のサンプルより、以下4つのテーマ別分析を行った。(1)「メディアテクノロジーとテレビニュース」では、制作技術は単に道具の進化にとどまらず、ニュース制作者の制作手法やジャーナリズムそのものに影響を与える様々な可能性について考察した。(2)「TVニュースにおける情報入手チャネルの利用」では、情報源の明示・不明示、局独自の取材有無について統計的・質的考察をし、(3)「ニュースを伝える人のジェンダー」では、4ヶ国の2004年同時点での比較と日米の時系列での比較を行いジェンダーの偏りについて考察を行った。(4)「日米英伯4ヶ国のテレビニュース番組にみる海外ニュース報道の特徴」では、調査対象の各局が主に世界共通の海外ニュースを報道しているのか、自国に関わる海外ニュースを報道しているのか統計的側面から考察を行った。
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Research Products
(4 results)