2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15530411
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
竹村 和久 早稲田大学, 文学部, 教授 (10212028)
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Keywords | 意思決定 / 過程追跡技法 / 社会経済現象 / リスク / 消費者行動 / 数理モデル / 計量モデル / ファジィデータ解析 |
Research Abstract |
本研究では、種々の社会経済現象の社会心理学的基礎を、種々の心理実験と社会調査を通じて解明し、さらに、この社会的な状況依存性を理論的観点から説明し、予測可能な心理計量モデルの作成、その数理モデルの作成、そして、このモデルの社会政策への応用を行うための理論的視座と実際の適用および政策的提言を行なうことを主目的とした。 第一に、社会経済現象を人々がどのような意思決定のフレームで認識し、どのような判断と意思決定を行っているのかを明らかにする試みを行った。すなわち、社会経済現象のフレームの探索と分析を、社会調査や面接調査によって行った。 第二に、このフレームに基づく社会経済現象においての人々の個人的意思決定過程の定性的性質と定量的性質を明らかにすることを試みた。眼球運動測定装置や情報モニタリング法などの過程追跡技法などを用いた心理実験と社会的調査を用いて、フレームに基づく個人的意思決定過程を明らかにし、状況依存焦点モデルを検証した。 第三に、これらの実験や調査の知見をもとに、社会経済現象における意思決定過程を悦明する心理計量モデルと数理モデルを作成し、記述的理論を提出することを試みた。また、これに関するファジィ理論を用いたデータ解析法なども提案した。 これらの研究の成果は、日本心理学会、日本社会心理学会、日本行動計量学会、日本知能情報ファジィ学会、Society for Judgment and Decision Making, Society of Risk Analysisなどの学会大会で発表され、また、学会誌への投稿がいくつかなされている。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 吉川肇子, 村尾智, 竹村和久: "スモールスケールマイニングによる労働安全と環境問題:フィリトピンイトゴン地区を対象とした調査"地域安全学会輪文集. No.5. 61-70 (2003)
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[Publications] 藤井聡, 吉川肇子, 竹村和久: "リスク管理者に対する信頼と監視-炉心シュラウド問題が住民意識に及ぼした影響分析-"社会技術研究論文. 1. 123-132 (2003)
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[Publications] 藤井聡, 吉川肇子, 竹村和久: "技術的安全と社会的安心"社会技術論文. 1. 1-8 (2003)
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[Publications] 竹村和久: "フレーミング効果について"経済セミナー. No.590. 21-25 (2004)
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[Publications] Kazuhisa Takemura: "Conclusion and Recommendation. In S.Murao, V.Maglambayan, & E.Bugnosen(Eds.), Risk communication"Lomdon : Mining Journal Books. 4 (2003)
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[Publications] 竹村和久(編): "社会心理学の新しい形"誠信書房(印刷中). (2004)