2004 Fiscal Year Annual Research Report
ユニークフェイス児のための家庭教育プログラムの開発
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15530432
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Research Institution | Miyagi Gakuin Women's University |
Principal Investigator |
足立 智昭 宮城学院女子大学, 学芸学部, 教授 (30184188)
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Keywords | ユニークフェイス / 容貌 / 口唇裂口蓋裂 / 心理社会的適応 / 対人スキル / 治療プログラム / 自己管理型プログラム |
Research Abstract |
〔目的〕 最近、容貌の障害はユニークフェイスと呼ばれ、これらの容貌をもつ人の心理社会的適応に関心が向けられるようになってきた。本研究では、ユニークフェイスの中でも最も頻度の高い口唇裂口蓋裂をもつ患児と家族が、心理社会的適応を高めていく上で必要としている治療プログラムを作成することを目的とした。以下、患児の自己イメージと対人スキルの向上を目的とする治療プログラムの検討結果について報告を行う。なお、本報告は、松本学氏(日本学術振興会・京都大学)と真覚健氏(宮城大学)との共同研究として行われたものである。 〔方法〕 1.被験者 T大学歯学部附属病院において口唇裂口蓋裂の治療を受けている大学生、専門学校生15名。一次面接として、半構造化面接法により心理社会的適応について尋ねるとともに、面接中の行動をビデオカメラによって撮影した。その上で、治療プログラムへの参加を依頼した。その結果、2名の被験者(女性)が、治療プログラムへの参加に同意した。 2.治療プログラム 今回実施した治療プログラムは、英国で標準化されたもので、主に、自己イメージの向上をねらいとしたスター・エクササイズと、対人スキルの向上をねらいとしたソーシャルスキルトレーニングから構成される。このプログラムには、上記の被験者2名、心理学を専攻する大学院生(女性)1名、およびファシリテーター(松本氏)が参加した。 3.事後査定 治療プログラム実施から3ヶ月後、プログラムの効果を査定するセッションを行った。参加者は、治療プログラムと同様であった。事後査定では、プログラム実施後の心理社会的適応を尋ねるとともに、面接時の非言語的行動をビデオカメラで撮影した。 〔結果と考察〕 治療プログラムに参加した被験者は、このプログラムが、自分たちの心理社会的適応を向上させる上で非常に有効であると評価を行った。また、事後査定の結果においても、その効果は持続しているものと推察された。しかし、一次面接参加者15名のうち、治療プログラムへの参加を希望した者は僅か2名であった。このことは、被験者が、自分自身、容貌に悩みを持つことを吐露することが、いかに困難であるかを示唆するものであった。したがって、このようなクリニックにおける治療プログラムの他に、自己管理型のプログラムを用意することが必要であると結論された。
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Research Products
(3 results)