2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15530440
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Research Institution | Osaka Gakuin University |
Principal Investigator |
山本 博樹 大阪学院大学, 流通科学部, 助教授 (30245188)
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Keywords | 認知的加齢 / 取扱説明 / 手順理解 / 標準化効果 / 体制化方略 / 学習支援 / 機器操作 / 住まい |
Research Abstract |
1.研究の目的:住まいの機器類に添付される取扱説明書は高齢者にはわかりにくいため、手順構造を明示するために挿入する見出しなどの標識化の効用が指摘されているが、メカニズムは解明されていない。そこで、本研究では高齢者が取扱説明書から手順を読解する過程に着目し、標識化が体制化方略を支援する効果を検証した。仮説として、標識化すると、1)高齢者の手順理解の読解過程を変容させること、2)特に読解過程における体制化方略が支援されること、3)結果、高齢者の手順理解が向上すること、4)また、標識化により上位構造性の活用を高めると上記1〜3の効果が鮮明になること、が考えられた(15年度では仮説1〜3を、16年度では仮説4を検証)。 2.研究の実施と結果:本年度の実験は以下の通り。前期高齢者60人と大学生60人を30人ごとに2群構成した(標識有条件と無条件)。ドーム型照明器具の取付の手順説明書を課題に用い、上位手順の切れ目を標識化したものと標識化しないものを作成。10の手順文を短冊状に裁断し、文配列課題ならびに最構成課題として用いた。実験では、照明器具の各部名称を教示した後、次の4つの課題を実施した。第1に、文配列課題では10枚の手順文をランダムな順序に提示し、配列させた(修正は可)。第2に、再認課題では正しい手順文を教示後に構成標識を再認させた。第3に、再生課題では3つの上位手順を再生させた。第4に再構成課題では手順文の再構成をさせた。これらの遂行結果から、高齢者における1)標識の利用、2)手順の理解、3)読解過程における体制化方略の活用、4)最上位手順の再生が検討され、上述した仮説1〜3が検証された。結果、本年度の研究実施計画は遂行された。なお、研究結果は、日本心理学会大会ワークショップ、日本基礎心理学会フォーラム、大阪学院大学流通・経営科学会で発表され、日本基礎心理学会雑誌「基礎心理学研究」に掲載される。
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Research Products
(1 results)