2005 Fiscal Year Annual Research Report
PTSD(心的外傷後ストレス障害)治療のための心理療法EMDRのメカニズムの解明
Project/Area Number |
15530442
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Research Institution | Iwate University |
Principal Investigator |
菅原 正和 岩手大学, 教育学部, 教授 (70111234)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 義男 岩手大学, 教育学部, 教授 (30003958)
我妻 則明 岩手大学, 教育学部, 教授 (30132228)
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Keywords | EMDR / PTSD(心的外傷後ストレス傷害) / トラウマ / 眼球運動 / 心理療法 / EEG / トポグラフマップ |
Research Abstract |
EMDR(eye movement desensitization and reprocessing)は治療が長期にわたり困難なPTSD(心的外傷後ストレス障害)に対する画期的治療法として彗星のごとく近年登場したが、J.Wolpeの系統的脱感作(systematic desensitization)を応用した説明以外には、その脳内メカニズムに関してはは殆んど解明されていない。 本年度の研究は、VEP, AEP, EEGトポグラフマップを用いて 1)EMDR治療に用いる聴覚、視覚、複合刺激の処理過程におけるダイポールの位置を測定すること、 2)反射回路を形成している外傷記憶の想起と、SUDS、VOCとの関連を調べること、 3)2)との関係で、PPF(pre-pulse facilitation)並びにPPI(pre-pulse inhibition)の異常と改善状態を分析し、SUDSとVOCの予測因子たり得るかを調べること、 であった。 実験データの解析より以下ことが明らかとなった。 (1)サッケードを誘導するトリッガーが単一感覚モダリティである場合のダイポールの位置は、一次感覚投射野において明瞭であるが、複合刺激条件における位置推定は中心部や連合野に及び且つ個体差が大となり特定化が困難になること、(2)PPFの促通の改善はSUDSの低減速度やVOCにも影響を与えること、(3)PPIの抑制機能の改善は、SUDSやVOC変化の予測因子たり得ること等が明らかとなった。
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