2003 Fiscal Year Annual Research Report
妄想の発生のメカニズムと心理学的介入についての実証的研究
Project/Area Number |
15530444
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
丹野 義彦 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助教授 (60179926)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大森 拓哉 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助手 (80332617)
石垣 琢麿 横浜国立大学, 教育人間科学部, 助教授 (70323920)
中安 信夫 東京大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (70126134)
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Keywords | 妄想的観念 / 統合失調症 / ベイズ理論 / 心の理論 |
Research Abstract |
妄想の発生メカニズムとして有力視されている3つの仮説を検討した。すなわち、ベイズ仮説、「心の理論」仮説、原因帰属仮説の3つである。本年度は、臨床研究とアナログ研究の2つを同時にすすめた。臨床研究においては,妄想と統合失調症を持つ人を対象とした。アナログ研究とは、臨床群ではなく、一般の健常者(本研究では一般大学生)における精神病理を調べる研究である。臨床研究においては,統合失調症群を対象として,3つの課題をおこない、継時的に妄想的観念の変化を調べ、3つの課題成績がその後の妄想の発生をどれだけ予測するかを調べた。こうした準実験のパラダイムを用いることによって、妄想発生の因果関係を調べるものである。アナログ研究では、一般大学生を対象にして、課題の信頼性と妥当性の検討をおこなった。ベイズ仮説については、先行研究で多く用いられてきたビーズ玉課題とコイントス課題を検討した。「心の理論」仮説については、被調査者が成人であることを考慮して、成人用に開発されたヒント課題と視線課題を検討した。これらは自閉症研究において臨床的妥当性も確かめられているものである。原因帰属仮説については、帰属スタイル尺度(Seligmanら,1979),自己標的バイアス尺度(Fenigstein,1984),推論バイアス尺度(丹野・坂本,1997)などの質問紙法を検討した。従属変数としての妄想を測る方法としては、質問紙法の妄想観念チェックリスト(丹野・石垣,1997)と、構造化面接法のMAPI(対人観念多次元アセスメント)を用いた。これらの検討の結果、いずれの課題についても、その信頼性と妥当性が確かめられた。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] 丹野義彦, 森脇愛子: "心理学からみた妄想"臨床心理学. 3. 758-760 (2003)
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[Publications] 森本幸子, 丹野義彦: "健常者の妄想的観念への多次元的アプローチ-被害妄想的観念と庇護観念の比較を通して"心理学研究. 74. 552-555 (2004)
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[Publications] 森本幸子, 丹野義彦: "大学生における被害妄想的観念に関する研究-素因ストレスモデルを用いて"心理学研究. (印刷中). (2004)
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[Publications] 佐々木淳, 丹野義彦: "自我漏洩感を体験する状況の構造"性格心理学研究. 11. 99-109 (2003)
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[Publications] 佐々木淳, 丹野義彦: "自我漏洩感状況に対応した測定尺度の作成"精神科診断学. (印刷中). (2004)
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[Publications] 森本幸子, 丹野義彦: "大学生における被害妄想的観念の発生"日本健康心理学会大会発表論文集. 16. 92-93 (2003)
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[Publications] 横田正夫, 丹野義彦, 石垣琢磨: "統合失調症の臨床心理学"東京大学出版会. 300 (2003)