2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15530448
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
皆藤 章 京都大学, 教育学研究科, 助教授 (70204310)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
濱野 清志 京都文教大学, 人間学部, 教授 (10218547)
大山 泰宏 京都大学, 高等教育研究開発推進センター, 助教授 (00293936)
金山 由美 京都文教大学, 人間学部, 助教授 (00269739)
鈴木 七美 京都文教大学, 人間学部, 助教授 (80298744)
石原 宏 京都大学, 教育学研究科, 助手 (40378500)
|
Keywords | フィールドワーク / 沖縄・南西諸島 / 山陰・出雲地方 / 癒しの文化 / 心理療法 / 体験の語り / 臨床心理学 / 体験 |
Research Abstract |
本年度は、シンポジウムと報告書の作成を中心にして、これまでの研究成果を一層洗練させ、研究全体の総括を行なうことを目的として活動した。なお、これら活動については研究代表者である皆藤章を中心として基本的に研究組織の分担者全員が携わった。 具体的には、メンバー全員がそれぞれのフィールドにおける「体験記」を作成し、それをもとに2005年11月3日(木・祝)に京都大学芝欄会館にて「体験の語りを巡って」というタイトルのシンポジウムを開催した。その後、各自がその内容を踏まえたうえでの論考を寄せ、最終的な報告書の作成となった。 シンポジウムでは、研究組織のメンバー(坂田浩之・石原宏)から提出された「体験記」-2003年と2004年に実際に赴いた沖縄・南西諸島や山陰・出雲地方での体験を通して生まれた語り-を中心に据え、皆藤章を総合司会、大山泰宏・鶴田英也を指定討論者として、 「体験」あるいは「体験の語り」という視座から心理療法や臨床心理学を捉えるといった新たな「知」の模索を巡る議論が展開された。とかく個人的で主観的なものと捉えられ、学問の世界からは排除されがちな「体験」に新たな視角から迫ることで、それを従来の近代科学的な知見に支えられてきた臨床心理学のパラダイムの転換を可能にする「知」、さらには実際の心理療法の場面を支える「知」として捉え直そうとするひとつの試みであったと言える。 なお、以上の活動を踏まえ、3年度に及ぶ本プロジェクトの成果の全容については、報告書において詳細を記録した。
|