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2006 Fiscal Year Annual Research Report

性格検査における逸脱回答と「どちらでもない」回答はなぜ起きるのか

Research Project

Project/Area Number 15530458
Research InstitutionNagoya City University

Principal Investigator

鋤柄 増根  名古屋市立大学, 人文社会系研究科, 教授 (80148155)

Keywords性格検査 / 項目反応理論 / person-fit / 性格記述用語 / 受験態度 / 黙従傾向 / MMPI
Research Abstract

自己報告式の性格検査においては,意図的あるいは無意図的に回答を歪めることが簡単にできるので,この回答の歪みを検出することが重要な問題である。まず,項目反応理論に基づくperson-fitが意図的な偽装的な受検態度による逸脱回答を検出可能か検討した結果,faking-badの検出は可能であったが,faking-goodはうまく検出できなかった。person-fitは潜在特性の推定値に基づいて計算されるが,この潜在特性の推定値の代わりに尺度得点を基にして計算した新たなperson-fitを考案し,これら2つのperson-fitを組合せて使うことでfaking-goodの検出も可能になることが明らかになった。
次に,無意図的な回答の歪みを生み出す要因として黙従傾向を取り上げた。この黙従傾向による逸脱回答の検出を検討するために,その影響をMMPIを対象として検討した。従来からこの黙従傾向の検討には,採点キーが「あてはまる」に偏るPt尺度と「あてはまらない」に偏るHy尺度が取り上げられている。今回は,それぞれの尺度に属す項目(オリジナル項目)の意味を逆転させた逆転項目を作成して,黙従傾向の影響を検討した。まず,逆転項目の適切さについて,意味が適切に逆になっているかを74名が確認し,さらに別の159名がその逆転項目の社会的望ましさがオリジナル項目と反対になっているかを確認した。このようにして作成・確認された逆転項目とオリジナル項目に対して,183名が2週間の間隔でそれぞれに回答した。つまり,同一個人が逆転項目とオリジナル項目に回答した。その結果,Jackson & Messick(1961,1962)が指摘するような,回答の分散のほとんどが社会的望ましさと黙従傾向の2つの反応の偏りによって説明されるという主張は否定され,Rorer(1965)の結論に近く,黙従傾向の影響はあるが,それほど大きいものでないことが明らかになった。

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Published: 2008-05-08   Modified: 2016-04-21  

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