2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15530470
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Research Institution | Shiga University |
Principal Investigator |
井深 信男 滋賀大学, 理事 (70110757)
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Keywords | ストレス / 脳下垂体 / 季節性 / 精巣発達 / 体重発達 / ハムスター |
Research Abstract |
年度計画に従い、実験を行った。5週齢の脳下垂体摘出群(n=26)、偽手術群(n=22)のシリアンハムスターを11週間、長日(LD16:8)の光周期環境下に暴露した。6週後にそれぞれの群の動物をさらに餌の30%ランダム剥奪のストレスを負荷する群と、統制群の2群に分け、合計4群の下位群を構成した。このストレス負荷を5週間継続し、体重発達および精巣発達に及ぼす効果を実験検討した。(1)脳下垂体摘出群の動物は、生殖ホルモン及び成長ホルモンが分泌されないため、精巣および体重発達において、統制群より抑制される。(2)脳下垂体摘出は広く生体にネガティブな効果を与えるので、ストレスに対する耐性が弱まるだろう、との仮説を立てた。 結果:ストレスを与える前の6週間の体重発達を脳下垂体摘出群と、統制群で比較すると、脳下垂体群の体重は統制群にくらべ、有意に軽かった。すなわち、体発達は脳下垂体摘出により、大きく抑制された。次に、ストレスを負荷した5週間の体重発達を比較すると、ストレスによる体重発達は、脳下垂体群で有意に大きく抑制された。 実験最終日に、すべての動物を麻酔薬の過剰投与により、安楽死させた後、精巣を摘出し、直ちに両精巣の重量を1mg単位で測定した。その結果、ここでもまた、(1)性ホルモンが分泌されないため、脳下垂体群の精巣は統制群より、軽かった。(2)重要なことは、脳下垂体を摘出され、ストレスを負荷された群において、精巣重量が最も軽かったことである。すなわち、脳下垂体摘出により、ストレス耐性が減弱したといえる。以上より、おおむね仮説を支持する結果を得たといえる。
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