2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15530470
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Research Institution | Shiga University |
Principal Investigator |
井深 信男 滋賀大学, 理事 (70110757)
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Keywords | 臨界日長 / ストレス / 光周反応性 / ハムスター |
Research Abstract |
今年度の研究計画に従い実験を実施した。すなわち、過去の光周期経験が性発達と体発達に与える効果を、日長の減少を(1)時間的には短いが臨界日長を超えて変化させる、(2)臨界日長を超えないが、時間的には大きく短縮させる、の二つの条件を設定し、この条件下でストレスを与え、過去の光周期経験の意味を臨界日長と関係づけて明らかにすることを目的とした。 そのために以下の実験デザインを組んだ。1群のシリアンハムスターをLD18:6(L群)、他の一群をLD13:11(S群)の光周期環境に10週間曝露した後、それぞれの群の動物をランダムに30%の実験日に餌の剥奪を負荷するストレス(D)群と餌剥奪のない統制(N)群に分ける。この時、2群の動物をLD18:6→LD13:11(5時間の光短縮)、LD13:11→LD12:12(1時間の光短縮)に移行し、この光環境に12週間維持した。 体重は全個体について毎週1度測定し、精巣については全実験終了後ペントバルビタールの過剰投与により安楽死させた後、両精巣を直ちに摘出し1mg単位で測定した。 その結果、精巣発達が最も抑制された群はSD群であり、ついでLD群であった。この二群の動物はストレスを負荷されていた群であった。注目すべきは、臨界日長を跨いだ場合、1時間の光環境の短縮であっても、臨界日長より長い光周期環境での5時間の光短縮より、精巣発達に対し大きな抑制効果を発揮したことである。一方、LN群とSN群においては、精巣発達に対する抑制効果は観察されず、単なる光短縮だけでは発達期にあるハムスターにおいては、日長の短縮が性発達に対し抑制効果を及ぼすことが少ないという、私達のこれまでの結果を裏付けた。 この関係は体重発達についても、ほぼ当てはまることが分かった。
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Research Products
(1 results)