2003 Fiscal Year Annual Research Report
声質の弁別に及ぼす韻律情報の影響-日本語と米語の比較-
Project/Area Number |
15530473
|
Research Institution | Aoyama Gakuin University |
Principal Investigator |
重野 純 青山学院大学, 文学部, 教授 (20162589)
|
Keywords | 声質 / 韻律情報 / 母語 / 日本語 / 米語 |
Research Abstract |
本研究の目的は、日本語と米語で話された音声の声質を知覚する際に、韻律情報がどのようにしてそしてどれくらい大きな役割を果たしているのかを検討することである。その際、話者の話す言語が話者および聞き手にとって母語であるか非母語であるかによって及ぼす影響が異なるかどうかを重点的に調べることを中心的課題とした。 このような目的のもとに、平成15年度は、話者が日本語を母語とする日本人,米語を母語とするアメリカ人である場合,それぞれが母語である日本語(日本人話者の場合)あるいは米語(アメリカ人話者の場合)と非母語である米語(日本人話者の場合)あるいは日本語(アメリカ人話者の場合)を話したときの資料を収集した。資料は、短文を自然な会話として発話したものを録音・録画した。 次に予備実験として、声質の弁別実験で用いる刺激パラメータを決めるための同定実験を行った。予備実験では、収集した音声資料を日本語を母語とする日本人被験者に提示し,母語・非母語の韻律情報がどのように声質情報に影響を及ぼすのかについて調べた。その結果、実験条件の設定、資料サンプル数の大きさなど種々の検討すべき点が見出された。また、本実験を行うためにはさらに多数の資料が必要であることが認められた。そこで来年度は、これらの問題点の改善と資料の収集を継続して行うこととした。一方、平成16年度に行う予定であった音声分析は、資料の妥当性を検討するため、一部の資料については今年度行った。
|
Research Products
(6 results)
-
[Publications] 重野 純: "感情を表現した音声の認知と音響的性質"心理学研究. 74巻6号. 540-546 (2004)
-
[Publications] 重野 純: "音声と表情による感情の認知-日米間の比較-"青山心理学研究. 3. 1-8 (2004)
-
[Publications] 重野 純: "音声知覚に及ぼす読唇の影響"2003日本音楽心理学音楽療法研究年報. 62. 147-148 (2003)
-
[Publications] 重野 純: "音韻知覚における視聴覚情報の統合-選択的順応効果と係留効果の比較による検討-"日本認知科学会パターン認識と知覚モデル研究分科会「視・聴覚相互作用の現状」資料. 11-16 (2003)
-
[Publications] 重野 純: "米語話者が表現した感情音声の認知"日本心理学会第67回大会発表論文集. 703 (2003)
-
[Publications] 重野 純: "音の世界の心理学"ナカニシヤ出版. 204 (2003)