2003 Fiscal Year Annual Research Report
ヒューマンエラーに関する情報処理資源と身体反応の要因分析
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15530474
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Research Institution | Asia University |
Principal Investigator |
板垣 文彦 亜細亜大学, 国際関係学部, 助教授 (10203077)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
依田 麻子 日本大学, 文理学部, 教授 (70200780)
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Keywords | ワーキングメモリー / 乱数生成課題 / 中央実行系機能 / ヒューマンエラー / 作業負荷 / ステレオタイプ / 血圧 / 注意 |
Research Abstract |
本年度の研究ではヒューマンエラーに関する情報処理資源の要因評価の中心的課題である乱数生成課題を中心に、2つの研究報告を行ない、さらに3つの発表のための実験を遂行した。すでに報告した研究は1)乱数生成課題をワーキングメモリ理論の枠組みで展開するための理論に関するものであり、情報処理の遂行に必要な2つの方略が実際には異なるActivated memoryとFocus of Attentionの2つの記憶情報を利用したAssociationとDiscriminationの競合的過程であること明らかにした。2)乱数生成課題から連続的にワークロードを評価する手法の確立し、それを自動車運転における作業負荷評価に応用した。この結果、運転疲労は時間的処理効率の減少傾向をまねくのに対し、運転中の操作負荷は情報処理方略の機能不全を引き起こすことが明らかになった。発表予定の研究内容は、3)乱数生成課題に関してワークロード連続評価に関わる分析手法の改良に関わる研究であり、評価軸基準を分析する生成個数に合わせて調整することによって運転疲労などによる処理効率の減少傾向を連続的に評価することを可能にした。4)時間的圧力下で生じる処理資源の低下を分析する上で有望なForward Counting効果(上昇系の自然数系列だけを多く生成するステレオタイプ反応)は、日本人が英語で課題遂行する場合に生じるが、これを「外国語効果」として一般化できることを、カタロニア地方のスペイン人大学生41名について、母国語であるスペイン語とカタロニア語、および外国語としての英語による課題遂行を比較し、確認した。結果は、「外国語効果」の原因が外部情報の音響的・空間的性質(イメージ)のバランスに関連していることが示唆された。5)乱数生成中の身体反応について、外部刺激に対する注意の有無の次元から検討をおこなった。乱数生成中に会話,ピンクノイズ中の信号音に注意を向ける条件とそれを無視するという条件が設定し、連続血圧を測定した。その結果、会話、ピンクノイズ中の信号音に注意を向けないで乱数生成を行う条件で拡張期血圧、平均血圧が高くなるという傾向が認められた。このことは、二重課題になれば加算的に身体反応が高まるわけではないことを示している。このことから、乱数生成課題と他の課題を組み合わせた条件で身体反応を評価する場合には、課題の特性を十分考慮する必要を示唆するものであった。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 板垣文彦, 依田麻子, 吉田宏之, 渡邊伸行, 金子友香: "自動車運転時の作業負荷の連続的評価について-乱数生成課題を用いた検討-"ヒューマンインターフェース学会研究報告集. 6巻・1号. 23-32 (2004)
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[Publications] 板垣文彦: "乱数生成課題における中央実行系機能"日本ワーキングメモリ学会 ワークショップ「ワーキングメモリ:基礎と応用」(2月28日、29日開催)発表資料集. 4 (2004)
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[Publications] Fumihiko Itagaki: "Continuous estimation of the executive functions in Random number generation"The 28^<th> International Congress of Psychology (ICP2004). (発表予定). (2004)
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[Publications] Fumihiko Itagaki, Josep Baques: "Forward Counting Effect on Random number Generation Task in Foreign Language"Second International Conference on Working Memory 2004 (ICWM-2). (発表予定). (2004)
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[Publications] 依田麻子, 齊藤慶典, 政本香, 市川優一郎, 伊奈誠, 依田光正, 久我隆一, 山岡淳: "注意の有無が乱数生成課題遂行中の心臓血管反応に与える影響"第22回日本生理心理学会大会. (発表予定). (2004)