2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15530480
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Research Institution | Aichi Shukutoku University |
Principal Investigator |
吉崎 一人 愛知淑徳大学, コミュニケーション学部, 教授 (80220614)
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Keywords | 半球間相互作用 / 知覚的負荷 / Global-Local処理 / 選択的注意 / ラテラリティ |
Research Abstract |
H16年度までの研究は,ターゲット処理に対するディストラクターからの干渉においては半球内と半球間で量において差が見られなかった。この知見は中央実行系が処理資源を各半球に適切に振り分けていると考えれば,整合的に解釈できた。しかし各半球に注意の処理資源が独立にあると想定するモデルも提案されている。今回は後者の立場にたち,ターゲットに対する知覚的負荷の操作が半球内,半球間干渉に与える影響について検討した。この前提にたてば,知覚的負荷が増大すると,左右両半球に刺激(ターゲットとディストラクター)が投入された場合,左右半球の処理資源が利用可能になるため干渉が大きくなることが予想された。一側半球に刺激が投入された場合は,処理資源が限られているため,大きな干渉が見られないと予想された。 (1)実験1 実験はGlobal-Local干渉を応用したものであった。ターゲットは複合パターンを構成するアルファベット文字1文字(H, T)であった。知覚的負荷の操作は,低負荷条件ではターゲットを単独で呈示し,高負荷条件ではノイズ文字をターゲットの左右に同時に呈示した。ディストラクターは複合パターンで,16個のH,あるいはTでOを構成したものであった。ターゲットとディストラクターのLocalレベルの一致性が操作された。結果は,低負荷条件で予想された干渉が見られず,半球内,半球間の干渉についての仮説そのものの検証ができなかった。 (2)実験2 実験1では低負荷で干渉がみられなかったため,より顕著な干渉が認められるGlobalレベルの干渉を操作した。その結果,低負荷条件での干渉の方が高負荷条件での干渉よりも大きいことが明らかとなった。このことはLavieの知覚的負荷理論を支持するものであった。しかし半球内,半球間の干渉については仮説を支持しなかった。両半球呈示条件の高負荷条件において,干渉量の上昇は認められなかった。
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Research Products
(2 results)