2003 Fiscal Year Annual Research Report
自律神経系反応パタンのポリグラフ解析による無実判定法
Project/Area Number |
15530484
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Research Institution | National Research Institute of Police Science |
Principal Investigator |
廣田 昭久 科学警察研究所, 情報科学第一研究室, 主任研究員 (40266060)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松田 いづみ 科学警察研究所, 情報科学第一研究室, 研究員 (80356162)
高澤 則美 科学警察研究所, 法科学第四部, 部長 (70356161)
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Keywords | ポリグラフ検査 / 自律神経系反応 / 規準化脈波容積 / 情動 / 因子分析 |
Research Abstract |
規準化脈波容積(NPV)のポリグラフ検査指標としての有効性を明らかにするために、裁決質問と非裁決質問時の反応変化について比較検討した。5枚のトランプカードから任意に1枚を選択させ、その数字を記憶させた。その後、選んだ数字を尋ねる質問を裁決質問、それ以外の数字を尋ねる質問を非裁決質問として、30秒間隔で順次質問を呈示し、各質問呈示後の25秒間の反応変化について分析した。その結果、裁決質問時のNPVは非裁決質問時よりも有意に低下し、その有意な低下は質問提示後25秒間に渡って維持されることが示された。さらに、NPVは皮膚コンダクタンス変化のように、個人の生理的特性によって反応が発現しなかったり、順応によって反応か消失したりすることがなく、常に刺激に対して一過性の反応を示すので、ポリグラフ検査指標として非常に有効な指標であることが判明した。 情動要因と自律神経系反応との関係を調べるため、情動喚起スライド群(IAPS)から、不快感情を喚起するスライドと、特に感情を喚起しない中性的なスライドを選び、被験者に呈示する実験を行った。心拍、収縮期血圧、拡張期血圧、NPV、呼吸周期、呼吸振幅を測定した。分析には、スライド呈示開始から20秒間の各指標の平均値を用いた。不快スライド呈示条件と中性スライド呈示条件において、有意水準1%で差がみられた指標は、収縮期血圧、拡張期血圧、NPVであった。また、情動喚起時における指標間の関係を調べるために、両条件の指標値の差を変数として、因子分析を行った。第一因子は、収縮期血圧、拡娠期血圧、NPVに条件間で差が生じることを示す因子、第二因子は、呼吸周期、呼吸振幅に差が生じることを示す因子、第三因子は、心拍に差が生じることを示す因子であった。情動喚起条件下において、自律神経系指標は、血管系、呼吸系、心臓系でまとまって変化していることがわかった。
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