2004 Fiscal Year Annual Research Report
自律神経系反応パタンのポリグラフ解析による無実判定法
Project/Area Number |
15530484
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Research Institution | National Research Institute of Police Science |
Principal Investigator |
廣田 昭久 科学警察研究所, 法科学第四部, 室長 (40266060)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高澤 則美 江戸川大学, 社会学部, 教授 (70356161)
松田 いづみ 科学警察研究所, 法科学第四部, 研究員 (80356162)
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Keywords | ポリグラフ検査 / 有罪条件 / 無実条件 / 裁決パタン / 抹梢抵抗 |
Research Abstract |
模擬的に窃盗行為を実行する有罪条件と、窃盗行為を行わない無実条件とを設定して、窃取物に関するポリグラフ検査を行った。皮膚コンダクタンス変化、心拍数、収縮期・拡張期・平均血圧、指尖皮膚血流量、前腕筋肉部組織血液量、規準化脈波容積、返答後10秒間の呼吸曲線長、指尖部血管緊張度指標、前腕血管抵抗指標を計測・分析した。 ポリグラフ検査の裁決項目質問時に見られる、一定の方向を有した生理反応変化(裁決パタン)を基にして、裁決項目が呈示される有罪条件と裁決項目が呈示されない無実条件の下で各生理反応の特徴を検討した。5項目からなるポリグラフ検査を実施した。各項目を30秒間隔で呈示し、呈示順序を変えて5セット実施した。質問呈示後25秒間を5秒毎の区間に分け、各区間において、有罪条件では裁決・非裁決項目間の有意差について、無実条件では、特定の1項目とそれ以外の4項目間の有意差を求めるという分析を繰り返した。 その結果、有罪条件においては、有意差の得られた区間の反応変化は、85%以上が裁決パタンと一致した。また、被験者毎に裁決パタンとの一致率を求めたところ、約75%の被験者において、有意差が得られた反応の90%以上が裁決パタンと一致し、裁決パタンが裁決質問時に特徴的な反応パタンであり、有罪であることを示す信頼性の高い反応パタンであることが明らかとなった。他の末梢抵抗関係の指標と比べ、指尖部血管緊張度指標と規準化脈波容積は有意差が得られる率が高く、また、裁決パタンとの一致率が高かった。一方、無実条件においては、有意差が得られた区間の反応が裁決パタンと一致する率は全体で50%であり、矛盾する率(50%)とほぼ同率であった。被験者毎の分析の結果、裁決パタンとの一致率90%以上を示す被験者はいなかった。特に無実条件では、裁決パタンに対して高い矛盾率を示した指標は末梢血管抵抗に関係するものが多かった。
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